■ ナンパ地獄変(17)-4 |
滞在二日目も快晴である。梅雨どきだっつうのにラッキーだな。昨日の影響か、腰に若干の張りはあるものの体調はすこぶるイイ。今日も結果を出すぜ。
午前11時過ぎ、張りきって街に繰り出したのだが、やはり昼はいないんだよね〜人が…。どうもショボイんだ。
やっぱりテレクラかな。と思ったがどこにあるのかがわからない。とりあえず場所だけでも調べるために柳通りへと向かう。
3分もしないうちに最初のテレクラを発見。しかし店員に現状を聞いて見ると一言「鳴ってないよ」とのこと。やはりまだ時間が早過ぎるのだろうか。
仕方ないここは一つ出直すか。と、ホテルへ向かって歩き出したとき、茶髪のフカキョン似を発見し思わず声をかけた。
「あのさ、よかったらお茶でもどうかな?」
「え〜お茶ですか」
「いやいや、なんなら食事も奢っちゃうけど」
「ホントですか。だったら行こっかな…」現金なヤツめ。しかし話して見るとエリカ(19歳 フリーター)は、派手めのルックスとは裏腹に中身はかなり真面目な娘のようだ。オムライスを食いながらセクハラトークをかますが、すべて軽くいなすか、まったくの無視かのどちらかだ。
「キミって外見とは違うよね…」
「はぁ〜、みんなからよく言われます」
「そっか…」って、話しが終っちゃってるじゃねーか。
しかしこんな真面目な娘といつまでもツーショットを続けていてしょうがない。メシを食ったらとっととバイバイだ。
テレクラを探そうと思ってもなんら手がかりが無いというのが痛い。インターネットを使いたいところだが、和歌山には一件もネットカフェやパソコンを置いてある漫画喫茶らしきものが存在しない。夜恋所(よっこいしょと読む)という夜ナビがあるのだが、そこは夜の8時開店だ。昨日の夜になんとしても調べておくんだった。
と落胆しているとき駅方向へ向かって歩く、お姉さん風の娘を発見。あわてて声をかける。
「こんちは」
「びっくりした〜。いきなり驚かさないでくださいよ」
「いやゴメンゴメン。あんまり可愛い娘が歩いて来たんで、つい声をかけてしまったんだよ」
「なに調子のいいこと言ってるんですか」と口では毒づいていても顔は笑っている。
「よかったらお茶でもしない? 」
「えっナンパですか? 」
「……そういうわけじゃないんだけど」
「こっち(和歌山)の人と、違いますよね」
「あっわかる? 」
「ええ、アクセントで…」
東京から来たというオレになんらかの興味を示した啓子(二十歳 OL)。とりあえず駅前の喫茶店でお茶。
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