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  ナンパ地獄変(19)-3
結局マンガを読みに行っただけの徒労に終った石和出張。しかしこんなことでめげてはいられんのだ。甲府に戻ると駅前のファンシーロード8番街で大学生の英理子(二十歳)をお茶に誘うが「友達と待ち合わせしてるから」とやんわり断られる。
 続けて駅で、これまた大学生のマキ(十九歳)と仲良くなる。
「マキちゃんは体育会系なの? 」
「そうですよ」確かにバッチリと日焼けしたその雄姿は、近頃のナマッちょろい女子学生の姿とは雲泥の差がある。
「ふ〜ん、山××院大っていうと陸上部? 」
「え〜違いますよ。ラクロスです」
「えっラクロスって…なんだっけか」
「ラクロス知らないんですか、いやだな〜」ラクロスというのは、その起源をバガタウェー(baggataway)といい、カナダのオンタリオ州を中心に広く分布する原住民イロクォイ族が戦技訓練の一助としてやったものであった。それを19世紀の中頃にイギリス人が取り入れ改良し近代スポーツに育て上げ、それがカナダをはじめアメリカ、イギリス連邦諸国に普及された。ラクロスという名前はインディアンの持つスティックがカトリック司教のもつ杖(LA CROSSE)に似ていたので、フランスの開拓者たちがラクロスと名づけたと言われている。
「なるほどね…」
「ちゃんとルール憶えてくださいよ」
「わかったってば…。ところでよかったらこの後食事でもしない? 」
「残念でした。あたし寮生活だから帰って食べないとダメなんですよ。それに明日実家に帰るからその準備もしないと」
 ガックシ…そういうことなら仕方ないな。明日のための買い物をするというマキとは駅で別れオレは再び街へと繰り出す。それにしても今日も暑い。アーケードや駅構内などの日陰をチョイスして渡り歩いているが、それでなかったら間違いなく日射病で倒れているところだ。
 県民情報プラザ裏の映画館前でブラブラしてる娘を発見したので迷わず声をかける。
「何やってるの? 」
「えっ、映画観ようかと思ったんだけど…時間が合わないみたいで」どうやらもう始まってしまったらしい。
「じゃあ次の回までお茶でも飲んで時間つぶさない? 」
「え〜、まぁ…いいけど」と、簡単にOKしてくれた柴崎コウ似のかおり(二十歳、学生)だが、そのわりには全然打ち解けてくれないんだもんな。
「なんでだよ!! 」
「だって〜、東京から来たっていうのがすごく怪しいんですよ」まるで関西人みたいな言い草じゃないか。
「そんなことないだろ。東京人を差別すんじゃないよ」
「じゃあ何しに来たんですか? 」
「え…、そりゃ取材(ナンパ)に決まってるじゃないか」
「ふ〜ん」それにしても甲府の娘ってのは山に囲まれているせいか閉鎖的というか、人見知りするというか…どうも馴染めないな。

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