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  ナンパ地獄変(25)-2
「ヒマなんじゃないの? 」
「ちょっとヒマかも…」と、なんとも曖昧な返事をした美奈子(二十歳、大学生)だが、簡単に誘いに乗っては来たものの、サ店で話してみるとちゃんと彼氏もいて意外と堅物であることが判明。こういう娘の対応って難しいよな〜。
「このあとカラオケとか行かない? 」
「カラオケあんまし好きじゃない…」
「じゃゴハンとかはどう? 」
「お腹空いてないし」
「飲みにいこうか、ねっ、パ〜っとさ」
「そういう気分じゃないんだよね…」おいおいおい。どうすりゃいいんだよ。
 結局お茶だけ飲んでバイバイ。なんだかどっと疲れた。旅の疲労も抜けてないっつうのに、あぁ温泉入りたいな〜。
 しかしまだホテルに戻ってまったりするには時間は早い。勢力的にナンパ活動に励むとすっか…。
 千舟町あたりはヤングの数も多く夕方近くなっても人の数は多いのだ。シネマサンシャイン付近でメガネの似合ってる清美(二十歳、専門学校生)をお茶に誘うが、このあとバイトが入っているらしくアウツ!! いかん。どうやら今日もテレクラのパターンか。
 テレクラっすか。やはり毎度毎度と読者諸君もお思いであろうが、アンタ、一日何時間もナンパしてて見、マジで疲労困憊だぜ。テレクラぐらい行かなきゃ死んでしまうよ。マジでさ。
 というわけで、かなり老朽化の進んだビルの2階にあるNという店に二時間コースで入店。春頃に出たフライデーをペラペラとめくりながらコールを待つ。10分ほどで一本目が鳴る。
「もしもし…今河内のローソンにいるんやけど」いったい何処だよ…それ?
「あのさ、オレ松山の人間じゃないんだよね」
「タクシーでくればいいじゃん」
「どれくらいかかんの、時間? 」
「30分くらいじゃないかな」無理だよそんなもん。
 切る。
 そしてそのまま一時間。店にあったフライデーとフラッシュをすべて見終わった頃。そのコールはやってきた。
「援助なんだけど…」と、言う実にお決まりのパターンである。ルックスがちょっとポッチャリという申告に若干の違和感をおぼえるが、金額はイチゴーと比較的リーズナブルな値段なので、とりあえず顔だけは確認しておきたい。車で迎えに来るということなので、東急インホテルの前で待つ。
 20分後、赤いランサーEXは滑り込むようにオレの前で止まった。助手席に乗り込み横を見ると…(絶句)おそらく体重70キロはあるであろう雌豚が、いやらしい目つきでこちらを見ている。(どこがポッチャリだよ。お前みたいな女はポッチャリとは言わないぞ)
「…………」ど、どうしよう。(ベアー最大のピンチである)
「じゃあさ、車どっかに止めなきゃ」のこのこやって来たのが、オレみたいな比較的若い男だったと見るや、妙にニヤニヤする雌豚であった。
「あのさ…」
「なによ」

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