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  ナンパ地獄変(27)-4
意気消沈しているヒマもなくふたたびサティへ。天候の関係か、昨日よりは人の数こそ多いような気はするもののターゲットとなるような娘はあまり見当たらない。エスカレーター横のベンチではヤンキー風の女子高生四、五人ががタムロしている。
 チッ。これじゃいくらなんでも声をかける気すら起きないぜ。と嘆いて見ても事態が好転するわけもない。肩を落としつつサティを後にしようとしたとき、自転車置き場付近でナッチに似た翔子(十九歳、フリーター)に声をかけた。これが当り。
「へ〜東京から来たんですか…大変ですね」地方都市において東京から来たという威力は絶大だ。
「そう、マジで大変なのよ」
「お仕事かなんかですか? 」
「う、うん。仕事なんだよね。でももう終ったんだよ」
「終ったの? 」
「だからヒマになっちゃってさ。ハハハ」こうしてオレと翔子は、サティ内のファミレスで遅めのランチを共にすることとなった。翔子はノリも良く、適度に尻が軽そうでまさに言うことナシ…帰り道ではすでに手まで握っていた。なのに…。
「この後、まだ時間あるよね? 」
「ごめんなさい。彼氏と待ち合わせしてるんだ…」
 ウッソ〜!! 冗談でしょ。半ばいける、と踏んでいた時の裏切られたショックは正直でかい。結局ゲーセン内でキス&乳モミだけで終了。
 ガックリとしつつ足取りは最悪…やばい。難所とはいえこの北海のベアーが攻略できないってんじゃ、世間さまに顔向けできん。しかも今回は最終回、泥は塗りたくない。
 すでに陽も暮れかけていたが、駅周辺で精力的に動き回る。無職(十九歳)のマリ(変な服着てたな…)とは携帯番号を交換したが、かかってくることはないだろう。そんな半ば諦めムードが漂い始めたころ。駅のコンコースで友達と別れたばかりの娘を発見し、迷わず襲撃する。
「待って〜」ハァハァと息を切らせやっと追いつく。なにがあったのかと、吃驚した表情のかほり(十八歳、専門学校生)。
「どうしたんですか? 」
「いや…ごめん、驚かせちゃって」
「えっいいですけど」
「ヒマでしょ、友達と別れたばかりだし」
「まっまぁ…ヒマかな」
「でしょ、よかったらメシでも食わない? もちろんオレの奢りで」
「えっ、まぁいいですよ」というわけで、二人は広島風お好み焼きの店に直行。そしてその後はホテルへと無事お持ち帰りと相成ったわけだ。
 こうして最大の難所と思われた島根県もクリアし、さてこれから…という時ではありますが、ナンパ地獄変今回が最終回です。コラム打ち切りのスピードでは月刊誌の中でも群を抜くスピードを誇るブブカ誌上において、二年半もの長期に渡り連載を続けてこられたのもみなさんの熱いご声援あってのおかげであります。また、毎回オーバーする経費を捻り出し、重ね重ねワガママを聞いて頂いた担当サミュL(身長2メートル)と本誌編集長テラちゃんにもこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
 ブブカ万歳!!。

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