■歌舞伎町ヘルス「G1」(8) |
彼女のほうも、首筋あたりが赤くなってくるし、歯を噛みながら声をくぐもらせる。これですよ、これ。日本情緒といいますか、女が快楽をガマンしているこの姿! と、勝手に、妄想を膨らませ、股間も爆発寸前まで膨らんだところで、彼女の中から抜いて、お腹の上に射精する。
その後、まだ、時間があるので、添い寝しながら話を聞く。
「大変だね。何人もこなすと痛くなるでしょ」と、記者が聞くと、「うん、みんな2回も3回もダシたくてセッカチな人が多いから……でも、全員にするわけじゃないの。まったく知らないお客さんもいるし、普通にサービスする人のほうが多いよ。私も、始めは絶対にシなかったんだ。でも、それだけじゃ指名とれないし、回りがヤッてるんならね。えっ? 覗かなくたってわかるよ。隣とかの部屋の雰囲気で、あっ、シてるなっていうの」
という。それじゃ、私がさっき、本番の話を切り出さなかったら(本番は)なかった?
「口が堅そうな人には……。やっぱり“あいつはすぐできる”っていう噂流れるとイヤだしね。でも、お客さんの場合は、本指名して来てくれたら、シテもいいよって私からいっていたと思う」と、彼女は記者の胸に顔を埋めながらいう。あまりに愛しいので、本当の彼女のように、ギュッと抱きしめてしまった。
結局、オカネは追加で取られることはなかった。こっちから切り出して取られるのもマヌケなので、そのことには一切触れなかった。個室の中では“タダマン”なのだが、入店のときに取られた金額を考えると、本番料込みとも考えられる。どっちにしても、気持ちいいことには変わりない。コールの電話がなり、手をつないで階段を上り、出口へと向かう。いつまでも、手を振る彼女の顔が焼きついている。店を後にすると、「口堅いよね……私、クビになっちゃうの」という彼女の言葉が頭を過る。これを記事にするのかと思うと、うぅ、良心が痛む。彼女に対して裏切り行為をすることになる。「本番がなかった」と報告すればいいが、それではウソになるし……葛藤が……でも、本音は本当にいいところ、いい女の子って、読者には教えたくないもんなんだよね!(読者のみなさまごめんなさい)
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