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 ◆影野臣直「アングラビジネスの帝王」インタビュー(1)

─歌舞伎町ではある意味、顔的存在の影野さんですが、まずは『ぼったくりビジネス』にたずさわるようになったキッカケを教えてください。

「いやいや、顔的存在なんてそんな。何せまだシャバに戻ってまだ半年にもならないんで。私が歌舞伎町に足を踏み入れたのは19歳の頃。もともと大阪だったんですよ。そのとき浪人中で、たまたま東京の大学だけ受かって上京したんです。もちろん、当時から『金をつかんで優雅な学生生活を送るぞ』なんて野望はありましたが。上京してまずホストになろうということで、スポーツ新聞の三行広告を見てホストクラブに面接に行ったんですよ。でもそこは二丁目のウリ専だった(笑)。当時はウリ専なんて言葉も知りませんでしたからタマげましたよ。芸能人がよく来るという話でしたが、来るのは男の"ゲイ?能人だけというお店(笑)。もちろん命からがら逃げ帰ってきましたが。何とか処女は失われずに済みました」

─それはそれは。ぼったくり屋が危うく掘られ屋になるとこでしたね。で、ホストになるのをやめてそのあとはどうしたんですか?

「じつは浪人生時代に地元のキャバレーで働いていたんですよ。『昔とったきねづか』ということで、その足で歌舞伎町のキャバレーに面接に行きました。その途中、母校と同じ名前のお店があったんで、なつかしくなってそのお店の人に道を聞いたんですよ。そして気づいたらそのお店で働くことになってた(笑)。そこがたまたまぼったくりバーだったんですね」

─それはまた運命的というか何というか。そのお店でぼったくりのノウハウを学ぶというワケですね?

「そうです。あの頃は若かったから、もうそれはギラギラとしてました。業界内で名前を売るために少々荒っぽいこともしてましたね」

──具体的にはどんなことを?

「こんなこともありました。キャッチというのは、他のグループのお店の看板を見ている客に声をかけるのはご法度なんですよ。しかしある日、部下のキャッチがカン違いをして他のグループの看板を見ていた客に声をかけてしまった。で、そのお店の従業員たちに特殊警棒で数発殴られたんですよ」

──それは乱暴ですね。今でいう武闘派ホストのケンカみたいだな〜。

「殴られたキャッチに『オレの名前を出したのか』と聞くと、ハイ出しましたという。当時、多少は名前の知れた存在でしたから、これはナメられちゃイカンということでそのお店に殴りこみですよ。店の前でマウントポジションでグレイシーよろしくボコボコにしてやりました。人だかりができてすごい騒ぎになりましたね」

──それはまた輪をかけて乱暴じゃないですか(笑)。警察沙汰にはならなかったんですか?

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