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 ◆影野臣直「アングラビジネスの帝王」インタビュー(2)

「夢中になって殴っていると、肩をポンポンと叩くヤツがいる。『何だよ!』と振り向くと、制服警官が立ってた(笑)。そのまま警察署に連行です。でも、キャッチで鍛えたトーク術で切り抜けました。話術で自分のペースに引き込むのは自信がありますからね。実際、先に手を出したのは向こうだし、警棒の跡がクッキリと部下のカラダに残ってましたから。両者痛み分けということで、帰してもらえました」

──ラッキーでしたね。殴った相手のほうは大丈夫だったんですか?

「顔が倍くらいに膨れあがっちゃってて。慰謝料をよこせという話になったんですが、こっちだって引き下がれません。部下も殴られてるし、私もおろしたてのセリーヌのサマーセーターをビリビリに破かれたんですから。『こっちだって被害をこうむってるんだ』と自分のペース引き込んでチャラに持っていきました。このときはアツくなってて、少々やりすぎたかなというのはありましたけどね。逮捕は覚悟してたんですけど、ちょうどその日、ある『警察関係者』と会う予定だったんですよ。もしかしたら、その人が口添えしてくれたのかもしれません。何せ歌舞伎町ですからね」

──う〜ん、ありがちですね…。で、その後も飛ぶ鳥を落とす勢いで勢力を拡大すると。

「ええ。最大で男女合わせて100人くらいのグループにまで成長してましたから。ガールキャッチを使ったぼったくりというのは、じつはウチが元祖なんですよ」

──そうなんですか!? 一時期、すごい騒ぎになってましたよね。

「テレビで事件モノの番組を観てたら、ウチで使ってるガールキャッチが顔モザイクで映ってる。よーく見たら、ウチの店だった(笑)。テレビ局が、ぼったくりの特集でウチの店を隠し撮りしてたんですよ」

──ある意味、業界最大手だったんですね。

「80年代、90年代は3、4の大手グループがシノギを削ってましたね。あと、今ではキャッチやポン引きの必須アイテムとなったラミネートカードを発明したのもウチのグループなんですよ」

──ああ、歌舞伎町の客引きの人がよく持ってるヤツですね。女のコのブロマイド見せて『いいコいるよぉ〜』って。

「そうです。あれはもともとウチのキャッチバーでぼったくったエリートサラリーマン「U」が発明したんですよ。ウチのお店に客で飲みに来て料金でもめたとき、『こっちだって商売を一生懸命やってるんだ。アンタにこんなことできるか?』って言ったら、数日後、ウチでキャッチとして使ってくれと転がり込んできました。ちょうどリストラされそうになってて、自暴自棄になってたんですね。彼らにとっては、ひょんなことから一筋の光明が見えたというワケです」

──はぁ…それはまた人と人の出会いというのはわからないもんですね〜。

「ぼったくりというと暴力的なイメージが強いかもしれないですが、ウチの場合は極力そういった荒っぽいマネはしなかったですね。話術で恐怖や怒りといった感情を別方向に向けさせるんですよ。突拍子もなく『おたく出身はどこ?』なんて聞いたりしてね」

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