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ウラ宿系、東京入国管理局へ行く
歌舞伎町ではここ2ヶ月の間で約400人の外国人が摘発された。
おそらく東京入国管理局は大忙しなはずだろう…
というわけで、東京入管に国際的カード偽造団の幹部に面会へ行った話を報告しよう。
いつものように酔眼酩酊としながら歌舞伎町朝帰りの途中、私の携帯電話が鳴った。電話に出てみると、たどたどしい日本語でしきりと私の名前を連呼する男の声が する。
「WHO?」
なんとそれは私がかつて服役していた新潟刑務所で仲良くなったマレーシア国籍の中国人Gだった。通常、外国人というのは日本で確定した刑期の3分の2を終えると犯した罪は清算され、身柄は治外法権下にある入国管理局に移される。旅券を持っている者はパスポートが発行されるまでの期間、入管での生活を強いられ、旅券を持っていない者は航空券が購入できるまで入管内で軽作業をして旅費を捻出する。新潟刑務所を出獄したGは強制送還待ちで東京入管に収容されていた。そして帰国する前に私と一度会いたいというのだ。
彼はカードのスキミング偽造団の主犯格で何十億円もの金を荒稼ぎした人物。歌舞伎町コーディネーターのT氏にその話をすると「影野さん、一度面会に行ったほうがいいよ。入管はいま一斉摘発された収容者で一杯だろうし」と取材しようと勧める。これぞジャーナリスト魂というのだろうか…。私の部下であり歌舞伎町の人気者である丹ちゃんの中古車に乗り込み、品川埠頭に移転したばかりの東京入国管理局に向かった。
さて、カードスキミングについて少し説明させてもらおう。スキミングとはカードの信用情報照会端末機(CAT)に「スキマー」と呼ばれるカードの磁気データ情報の読み取り機を仕掛け、顧客情報を読み取りカードを偽造する手口。なんと新宿西口の某一流ホテルのレストランに、読み取った情報を受信機で受け取ることができる無線機能付きの最新型スキマーが仕掛けられていたという。大胆不敵な犯行だ。この機械を使えばわざわざデータ回収しなくても無線で回収ができる。同時期に成田でデータを入れるためのクレジットカードの原板約5300枚を密輸しようとしたマレーシア航空職員が逮捕されており、このスキニング無線機もマレーシアでのみ発見された特殊な機械。この東南アジアの国をキーワードとする、かつてない大掛かりな偽造団が日本でも暗躍しているに違いない。彼の出身もマレーシア。きっと何かを知っているはず。実はGのボスは国際的カード偽造団のトップなのだ(現在、彼はインターポールから国際手配中の大物中の大物…)。
先日パリで偽造カードを使用した日本人が逮捕された。なんとパスポートも偽造だった。また池袋署では中国系の偽造団が摘発された。このグループのなかで買い物をして換金する係は日本人と韓国人だった。犯罪の多国籍化に国際協調化だ(笑)。
いままでのように単一国出身の犯罪者集団ではなく、国際シンジケート化してきているのだろうか?
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