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 ◆影野臣直「アングラビジネスの帝王」その5(2)


入管は人種のるつぼだった

丹ちゃんに差し入れの品々と金一封を用意させて入管に参上した。新しくできた入管はみごとなまでに外人だらけ。当然日本人の面会者は少なく、待合室(喫煙室)は東南アジア系に中近東に黒人、どこの国だかわからない金髪や日本人離れしたファッションセンスの人たちで一杯。1階受付で身分証明書を提示し面会申し込みをして審査を受け、2階にある面会室受付で再び身分証明を提示。私たちの前で順番待ちしていた黒人が、何度もの身分証明にパスポートの提示、身体検査を強要され怒っていた。
「ストレンジ・カントリー(変な国だ)!」
目が合うと彼は私に向かって叫んだ。私が
「イッツ・ジャパニーズ・カスタム(日本の習慣さ)」
とウインクを返すと彼はあきらめて帰っていった。小一時間ほど待たされ私たちの順番が来て面会室へ。Gは刑務所での生活の疲れもなく思ったより元気そうだった。
私がいなかったら日本の刑務所は耐えられなかったという。私は彼のことを外国人だからというだけで虐めの対象にする日本人受刑者達とやり合って懲罰を受けたことがあった。Gは限られた時間の中で多くを語ってくれ、帰国後にいろいろ調べて電話取材も受けてくれるという。そのときには自分のボスも紹介すると確約も取った。時期が来たら読者の皆様にも報告しようと思う。
「強制送還されても、どんな手を使ってでも会いに来るよ」
と笑いながらGはいった。面会時間が終わり入管を出た。しんみりとしている私の顔を見てT氏がニヤついている。やられた! 抜け目のない彼はまたもやデジカメとレコーダーを隠し持っていたのだ…。それがこの写真。どうぞT氏を逮捕してください。あ、俺もカメラ目線だ、やばい! 日本発!?の入国管理局の面会場での写真です。


   




(大橋書店・ヤンナイより引用抜粋)

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