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 ◆影野臣直「アングラビジネスの帝王」その6(2)


歌舞伎町交番から新宿署へ

 こうしてすったもんだの騒動は終わり、歌舞伎町交番へのご招待を受けた。交番では数人の警官が私のことをジロジロと眺めている。
「アナタは一体何なんだ?」
「なぜカバンの中身を見せられないんだ?」「見せればすぐに帰れるのに…」
 次から次へと取調室に入ってきては、バッグを開けさせようとあの手この手で迫ってくる警官たち。お得意の茶番劇だ。
「オレはね、納得できないからカバンを見せられないと言ってるだけなんだ!」
 結局、交番内でも同じことの繰り返し…。職務質問をした以上、警察にも面子があるのか、なかなか私のことを開放してくれない。時間ばかりが過ぎ、あっという間に3時間が経過──。時刻はもう朝の7時半。根負けした警官たちは交番での解決はあきらめ、本署(新宿署)に解決を委ねた。
「どうしても調べられたくないんなら新宿署まで来てもらえますか?」
「いいよ。捜査令状があればバッグを開けて中身をしっかりと見せてやるよ」
「わかりました。現在は24時間いつでも令状を取ることができますので、令状を請求する間、新宿署でお待ちください」
 ここまできたら私も警察も引くに引けない。あとはお互いの意地の張り合いだ(笑)。パトカーへと乗せられ、新宿西口の新宿警察署に連れていかれた。
「今から令状を取ってきますので、もうしばらくお待ちください」
 さらに待つこと3時間。「SPS」のバッジをつけた年配の刑事が現れ、私の前に座った。
「誠に申し訳ないが裁判所の方から令状を発行できないと言ってきたので、このまま帰ってください」
 おいおい、今何時だと思ってるんだ。職質を受けたのが午前4時半。それから6時間もの間、俺を拘束していたんだぞと文句を言うと、
「おい、何か飲み物を買って来い!」
  と刑事は部下の警部補に命令し、急に猫なで声になって平謝り。『人を見ためで判断してはいけない』という現代の常識など持ち合わせておらず、『疑わしきは罰せよ』という理念で警察は動いているというワケだ。フツーの身なりをした子供たちが涼しい顔をして人を傷つける時代だというのに…。結局、警察側は迷惑をかけたお詫びということで、私を事務所までパトカーで送ってくれた。
 結論。職務質問を拒否するとアナタの人生での貴重な時間を無駄にします。人相の悪いアナタはご注意を。特に歌舞伎町ではね(笑)。

歌舞伎町で職質を受けやすい人・ベスト3

1・遊び人風&ヤクザチックなファッション
2・痩身(覚せい剤などの薬物常習者と疑われる)
3・バッグやリュックを持ち歩いている(裏ビデオの運び屋と疑われる)

その他・何ヶ所もの歌舞伎町カメラに写る、パトカーを見ると逃げる、警官との視線を避けるなどの挙動不審。




(大橋書店・ヤンナイより引用抜粋)

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