というわけで、連縛パーティへ
しかし、こうして1人を縛るんじゃなくて、何人かを一度に縛る形式をなんと呼べばいいのだろうか。ヒトミさんと話しているうちに、それは「連縛」ではないかという言葉が出てきた。たしかに単独の人間を縛るというわけではないんで、これはいいかもしれない。
さらに英語では"BIND"という言葉が出てきた。辞書でひくと「縛る」といった意味があるという。日本語では「バインダー・ノート」というのがあるけど、それが意味としては近いみたいだ。SMとは別の次元での縛りや拘束感を楽しむという感じのパーティをやろうということになった。
たとえば、それはぎゅうぎゅうと人と人がおしくらまんじゅうする感覚だったり、また、昔、アメリカの大学生の間で流行していた電話ボックスに何人は入れるかを競うような窮屈感だったりといったような楽しい拘束である。もちろん緊縛なども楽しい要素があっていいはずなんだけれど、日本の場合、それはすぐにSMと結びつけられてしまう。つまり、常に縛る側と縛られる側が決まってしまったり、そこに主従関係が生じることになるのだ。BINDはそういったものとは無縁なのだ。
早速、潜入してみることにした。場所は都内のラブホテルにあるパーティルーム。参加メンバーは、女王様ライターの立花マリさん、アダルトショップ「パンドラ」の店長南春介、会社員のT、そしてヒトミ女王様がやってきた。
ルールは各人が他のメンバーを使って、自由にBINDした作品を作ってみるというもの。まず最初に手を挙げたのが、立花マリ女王様だ。彼女は、ホテルの部屋の踊り場で、南氏とT氏という2人の男性を連縛(BIND)した。タイトルは『丸井のクリスマス』。鎖などを使って、熊のぬいぐるみなどもいっしょにBIND。一般人であるTクンは、写真を撮るなら目線が必要だと言い出したので、黒いビニールテープで目のまわりをグルグル巻きにした。その上にヒトミさんが白目と黒目を貼り付ける。なんとも気持ち悪い顔になった。南氏がしきりに「こっちを見るな」と言う。
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