野望の帝国 野望の帝国

風俗情報

 マグロの独白(4)-2
 鍵を開けた彼女は「どうぞ」とオレを先に部屋に入れてくれた。甘酸っぱい香りが鼻孔をくすぐる。オレが来ることを予感していたのだろうか、部屋はきれいに掃除されている。

「私、活字中毒だから」と言っていたとおり、大きな本棚が3つあり、そのほかにも小さいものが2つほどある。マンガが中心だが、その量は多い。しかし、きれいに整理されている。

 しかし、こんな時にどうにもオレは間抜けなのだが、鞄には小型カメラを忍ばせていたのである。キッチンから声がした。

「お酒にしますか、それともお茶かコーヒーの方がいいのかしら」

 そう言う彼女にオレはコーヒーと答える。こっそり端の方にあった小さな本箱をパチリと撮った。

さらに、床の上に置いた鞄の中からコーヒーを持ってきた彼女を撮った。後から見たら1枚はちゃんとパンティが映っている。

 しかし、この直後にカメラが見つかってしまったのだ。

「なに、これ? マグロさん約束破ったわね」

「……」

 怒るかと思ったら、彼女はニッコリと笑った。

「約束したでしょ」

 そうだ、会う前の電話で約束した。カメラを持っていかなかったら、オレは彼女を好きにしていい。しかし、もしもカメラを持ってきていたら彼女がオレを好きにするというものだった

「じゃ、約束通りに私の好きなようにさせてもらうわね」

 そう言ってクロゼットの中から彼女は縄を持ち出してきた。おいおい、SMの趣味があるのか。そんなこと聞いてないぞ。しかし、Y子はけっこう手早くオレを縛り上げていった。といっても、本格的な縛り方ではなくとにかくグルグルと縄をかけていく。無茶苦茶に縛っているようで、まるで身動きはできない。

「もう、いいだろ。ほどいてくれよ」

 オレは笑いながら言った。すると彼女は

「なに言ってんのよ、これからじゃない」

 なんと、それから想像だにしなかった行動に彼女は出た。オレのカメラを鞄から出してそのレンズをオレに向けるのだ。いつもは、デジカメを持ち歩いているのだが、この日はカメラが見つかってはまずいと、APSの小型カメラだった。1枚写真を撮って、Y子は楽しそうな表情を浮かべながら、オレのズボンのチャックを下ろしにかかったのだ。

[前のページへ] [下関マグロTOPへ] [次のページへ] 


Copyright(c) 2003-2004 YABOU NO TEIKOKU All rights reserved.