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 マグロの独白(11)-2
フェチって女のコとのコミュニケーションだったんだ

 ちゃぶ台の上でジュリアナ踊りをしたY子

 オレはテレビのリサーチャーなる人間が大嫌いだ。奴らはよく電話をかけてくる。

「あ、下関先生ですか? あの私は○○テレビの△△という番組のスタッフなんですが」

 と、さもテレビ曲の人間のように電話してくるのだが、実際はリサーチ会社と言われるネタ集めの会社に所属していたり、そこと契約しているフリーの人間なのだ。まあ、それはいい。週刊誌などの取材記者もみんなそんなシステムで動いているからだ。問題は人にものを聞くのにいかにも高圧的な人間が多いのだ。テレビだから答えるのは当たり前だろうなんてかんじで電話してくるのだ。で、オレが求められているのは、素人が出てくる番組に出てくれる人はいないか、あるいは笑えるような変態プレイを実践している人はいないかというものだ。最初の頃は、いろんな人を紹介してあげたりもしたのだが、これがもうヒドイ。まず彼らは約束を守らない。もちろんリサーチャーは人を紹介するだけで、制作にはタッチしていないから仕方がないのかもしれないが、ならば安請け合いはしないほうがいい。さらに、いろいろなことをやってあげたとしても何の報酬もないのだ。オレは別に金をくれないことだけに文句を言う人間ではない。原稿料が出ないケースでもいくらでも原稿は書いてきた。しかし、それはこちらが書きたいからで、やりたくないことを無理やり頼まれてやらされた場合は金がほしい。

 Y子もそんなリサーチャーのひとりだった。オレは今までされてきたリサーチャーの無礼の数々を言い、協力できないと電話で言った。

「そうですか。それじゃ仕方ないですよね」

 と力弱く言う。その様子を見て、オレはY子がかわいそうになってきた。そこで、場合によっては協力すると言い、彼女のことをあれこれ聞いた。そこで、わかったのはY子は女子大生時代にジュリアナ東京で踊っていた世代で、彼女自身扇子を持ち、ボディコン姿で踊っていたのだと言う。そこで、ひらめいた。

「ならば、そのときの衣装で写真を撮らせてくれたらネタを提供するよ」

 オレの申し出にY子は少し悩んでいたが、OKしてくれた。そして数日後に衣装を持って現れたY子は背の高いスリムな女性だった。たぶん、女子大生のときと体型はほとんど変わっていないはずだ。

「でも、いまさらこれ着るのって恥ずかしいんですけど」

 Y子はそう言うのだが、恥ずかしいのがいいのである。

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