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 マグロの独白(11)-5
「えーっ、パイ投げってあの顔がクリームまみれになるアレ? おもしろそー」

 というわけでいとも簡単に交渉成立。彼女は東大出身者ということで、威張っているような人間ではないし、出身大学にアグラをかいて努力しないという人でもない。そのあたりが、まあ少し違うかなって感じなんだけれど、とりあえず東大出身の才媛の顔面にパイをぶつけるというのは面白そうではないか。

 Y美さんは30歳を少し過ぎた(くわしい年齢は知らない)編集者。独身である。我々は駅前の焼き鳥屋でビールをしこたま飲んで、コージーコーナーでバナナパイを購入。まさか店の人もこれを顔にぶつけるということは予想していないだろう。

 というわで、オレの仕事場兼自宅のバスルームでぶつけることにした。Y美さんは「わーい、わーい」といかにも楽しそうにそのままの服でバスルームにやってきた。

「えっ、その服でいいの? 汚れちゃうよ」

 とオレ。

「いいの、ちゃんと着替えは持ってきたから」

 と言う。しかし、少しは嫌がってくれないとな、なんだかつまらない。そうそう、オレがエロ本のヌードグラビアの現場があまり好きじゃないのは、プロのモデルたちっていとも簡単に裸になるんだよね。もっとも「ええーっ、こんなに人のいっぱいいるとこじゃ脱げなーい」なんて言ってたら仕事にならない。もうバンバン脱いじゃうし、そのあたりも裸で歩いていたりしている。そういうんじゃなくて、恥ずかしがって欲しいんだよねオレ的には。まあそれはいいとして、喜んで自らパイに顔を埋めるY美ちゃんであった。そうか、喜んでいるのか。もうちょっと恥ずかしがってくれるとよかったんだけどねぇ。


担当編集者もTシャツ着てシャワーを

 かつてオレはある男性雑誌で「働くお姉さんのヘアヌード」という連載をしていたことがある。これは、普通に働いているごく普通の女性に脱いでもらうというもの。さっきも書いたけど、オレってヌードモデルは苦手なんだよね。で、こんな企画になったんだけど、占い師、劇団をやっている女の子、エロ系じゃない普通のライターさんやらカメラマンとか、脱ぐ仕事をやっている人じゃない女性に脱いでもらうというもの。交渉は大変だったけど、やってておもしろかった。

 で、さっきから書いているフェチな写真を撮るというもある雑誌で連載していたんだけど、この担当者が女性。U子ちゃんというんだけれど、年齢は内緒。そのU子ちゃんにオレは連載を始める前に

「おまえも絶対になんかやれよ」

 と言っておいた。

「はい、はい。脱ぎ以外だった何でもやりますよ」

 とU子は宣言していた。で、実際にモデルが見つからないまま締め切りの日がやってきた。原稿だけなら書くだけでいいのだが、このコーナーは必ず写真が必要だった。そこで、締め切りの日に、浮かない顔をしてU子はオレの仕事場兼自宅にやってきた。

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