――家賃とか生活費は折半してるの?
「ちょっとだけもらう、だってかわいそうで。子供の養育費とかにまわしちゃうから手元に少ししか残らないみたいで」
――風俗の仕事はずっと続けていくの?
「うん。でもだんだん飽きてきた。今は性感マッサージだからそんなに触られることってないんですよ。できればもう、触られる仕事はいいかなって思う。体力的にそれはすごく思う。演技するのも疲れるし」
知らない土地にやってきて毎日を過ごすのが精一杯の彼女に、現実的な質問ばかりしてる自分がいじわるばぁさんに思えてきた。話題を変えた。
――これまでつきあってきた彼氏は仕事のこと知ってた?
「知ってる人もいたし知らない人もいた。言って戸惑う人もいれば、なんでお前みたいなのが風俗やってんの?って、風俗にはいなさそうなタイプだって言われたこともあった。それで別れようって言われたこともあったけど、辞めようと思ったことはない。悪い仕事だと思ってないから。けっこう隠す人っているじゃないですか。でも悪いことしてるわけでないし、そういうお仕事なんだし、いいじゃないって思ってるから。最初は仕事のことを聞かれると言えなかったけど、そのうちすんなりと言えるようになった。それで引くような人だったらそこまでの人だと思えばいいし。風俗嬢だから友達になれないとかそういうのは絶対ないと思うから。なんか勘違いしてる人は、それならコイツならヤラせてくれるだろうって感じになるから、こっちが遠慮したくなるし」
いま彼女はSMに興味があるという。めまぐるしい毎日でたまったストレスを発散させたいという。
――仕事のこと、家の人は知ってるの?
「言ってないから。いまは東京に来てることすら知らないと思う」
――最後に連絡をとったのはいつなの?
「二年前ぐらいかな。 何しゃべったんだろ。あー元気? みたいな感じかな?」
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