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テレクラ放浪記(6)-1 |
Date: 2003-06-25 (Wed) |
これまでのあらすじ
「サラリーマンからテレクラ探検を主とするフリーライターに転職した私は、それまで以上に女とセックスをすることに燃えた。テレクラに出没する女のほとんどはブスブタババアか心のビョーキを持つ女だった。それでもかまわなかった。それらの女の背景にある物語を探索すればするほど性的ボルテージは上がった。〈奇妙な女たち〉の最たるもの。精神病院に入退院する女3人とも知り合った。といっても最初の二人とは肉体関係はなく、軽い被害を受けただけだ。3人目の女とはセックスしてから一騒動あった。そして盲目の女との情事。私の探検は佳境に入りつつある」
テレクラ店という場所に行ってコールを待つ方法とは別に、自宅テレクラともいうべきツーショットのシステムについては既に説明した。
それはテレクラとは別に単独にあるものなのだが、あるテレクラグループでは個室に年代取り次ぎ用とツーショット用の2台の電話機があって併用している。
対女性用の広告や街頭で配られるティッシュにある女性用のフリーダイヤルもフロント取り次ぎ用とツーショット用の二つの番号が記されている。
男としては、女の希望する年代の男性に繋がる可能性の高い取り次ぎ制が一番いいのではないか。なぜ、どんな男と繋がるかわからないツーショットへ電話をかけるのかと不可解に思える。その理由は女からの回答にあった。
「24時間やってっからあ」「そこのフロントの人ってえ、ウザい感じジャン?」
「毎日かけているって思われるのイヤ」「声が若くって、いつも高校生?って聞かれるの」「16才だから」「援助だから、恥ずかしい」「相手の年齢とは関係なくいろんな人とお話できるから」「ツーショットだったらいつでも相手を替えられるから」。(ちなみに、取り次ぎ制の場合は相手(男)が気に入らない場合はいったん電話を切ってから再度かけ直す必要があるが、ツーショットの場合は電話機の指定された番号のボタンを1回か2回押すだけで自動的に相手をチェンジすることができる)。
ツーショットの発展型としてテレホンセックス、テレセ専用ツーショットがあることは前述した。だが実際には会えるどころかアポさえとれる確率はテレクラに比べ極端に低かった。その理由はある男が知っていた。
彼は私がよく行くテレクラの常連で私の顔を知っていた。
「たしか、T誌でテレクラの達人とか言われている方ですよね」と話しかけられて以来、彼とは親しくなった。
彼の話によると、テレセ女とは何人も遊んでいるのだが、だいたいがブスかデブという。
「つまり、男と会っても断られた経験が続いて、電話でするようになったんでしょうね」と分析した。
「その証拠に可愛い声が多いでしょう?。可愛い声ってデブかブスですよ。低めのほうがアタリですね」とまでいう。
その時分は知らなかったが、彼は有名なナンパ師であちこちのテレクラを荒らしていた。
「女の声を一言聞いただけで、ヤラセる女かそうでないかわかる」「3分でアポをとる」「いい女としかヤラない」など彼一流の技術と美意識は今も変わらない。
その証拠は、彼の撮った数百人の女の写真を見れば一目瞭然。今の私があるのも彼の真摯な助言があってのことで、恩人ともいうべき男だ。
彼の名は「佐伯祐二」といい、世間の裏事情にも通じている怪人物である。
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