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風俗情報

 「新しモノ好き」(1)-3

 アゲハちゃんの、写真と実物とのギャップは?……、う〜ん……、正直「ない」と 言えばウソになる。だが、多少想像してたよりは面長な顔面骨格だったな、程度のも のであった。本来丸顔好きな僕にしか気にならない“程度”なのかもしれない。あと、 写真よりは2、3歳ほどフケて見えた。これはすでに40歳を越える僕としてはほとん ど問題ない。20代であれば(に見えれば)皆、一緒。そもそも、20代の女のコとなん
て、銭でも払わないかぎり、話さえままならない世代であるのだ、僕たちは。

「お客サン、男前〜!」

 個室に入っていきなりこんなことを言われた。決して悪い気分はしない。何度か繰 り返されたら嘘臭くさえ感じてしまう。

「またまた〜」

 あまり過度な期待を抱くのも、後の失望がデカそうなので、とりあえずは軽く流し ておく。

「こんな男前とデキるなんて、今日はラッキー!」

 けっこう執拗にホメ殺される。ベッドでとなりに座ってきて、服の上から身体中を まさぐられる。この時点で半勃起。どうやら彼女は遅番らしくて、僕がこの日“潜入” したのは午後6時。今日最初の客ってことでまだパワーが余っているのだろうか。あ る風俗店の店長に聞いたことがある。

「フーゾク行くなら開店直後と午後6時くらいが狙い目だよ。早番と遅番の女のコが 出勤したばっかの時間帯ね。まだ、女のコたち、一人も相手してないから疲れてない し。だから自然とサービスも良くなったりするんだよね」

 疲れてないから、まだ客を男として「好み、好みじゃない」と判別できる能力も残っ ているってことなのか。だが、

「じゃあ、シャワー浴びますか?」

 などと事務的な話を振ってくる際の、声のトーンの豹変ぶりも気になる。これがこ のコの営業スタイルなのかも……、という考えもよぎる。

 この個室はシャワーが室内に設置されている。シャワー内でも心おきなくいちゃつ けるってこと。これはポイントが高い。よくよく個室内を見渡したら、受付の雑然さ とは好対照に、木目仕立てで清潔感が溢れる作りになっている。

 しかし彼女の、股間の洗い方は「ゴシゴシゴシ!」といった感じで、まるで大根で も洗っているかのような、性病までをも削り取るくらいの勢いの無機質なものだった。
やっぱ、「男前」は営業トークだったのかな……? ちょっと素に戻りながら、腰に タオルを巻いてベッドに座る。

「ボク、カノジョとヤルみたいにヤルのが好きなんだよ。なるべく普通のエッチっぽ くさ……」

 と、横にちょこんと座ってきた彼女をカノジョとの初エッチのように対面で押し倒 し、彼女の身体に巻かれているバスタオルをときほどく。

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