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風俗情報

 「新しモノ好き」(3)-2

本来、オネエチャン系のお店に行く時は、
「なにを目的として行くのか?」
 を、まず明確にしてからハコを選ぶことがまず最初にすべきことだ。射精したいなら風俗、疑似恋愛したいならキャバクラ、といった具合である。出会い系というのはそのような確固たる目的を設定することができないグレーゾーンだ。
「なんとなくいい思いができるかもしれない……」
 こんなファジーさにファジーなリビドーを抱く層が銭を落としてしまうのである。
 僕も例外なく今回は、そんなファジーなリビドーを抱いて、恵比寿にある出会い系コンビニカフェ「TuBa」に行ってみた。
 恵比寿駅西口に面している駒沢通りを渡り、代官山に向かって歩くと「吉野家」、「らんぷ亭」とオシャレタウンには似つかわない牛丼屋が少々距離を置いて建ち並ぶ。その付近にある雑居ビルのワンフロアを貸し切った小ぎれいな空間だ。
 長い机にパソコンが何台が設置されてあり、時間無制限の使い放題。インターネットカフェ風の作りである。
 カフェとはいっても、コーヒー等は出てこない。室内に設置されている自動販売機で勝手に飲みたきゃ飲む、そういう「飲食店」だ。
 入口すぐにある受付で、50は越えているであろう人の良さそうなオッサンが2人僕を出迎える。
「あの……どういうシステムなんですか?」
「入会金1万円、入店料3千円、女のコと店内にお話するのに一人2千円、女のコを店外に連れ出すのに3千円、さらに女のコに対する心付けとしていくらか」
 と、虚飾なく説明してくれた。その潔さたるや良し!……ではあるのだが、あまりにも料金設定が細かく分かれすぎすぎ。お見合いパブと基本的にはよく似た料金システムだが、お見合いパブには入会金と心付けは普通ない。
 この「TuBa」は大阪が発祥であるらしい。小さな金額を細かく刻んで上乗せしていって、それなりの合計額にしてしまうシステムは、いかにも大阪的だと思う。
「お得感」を演出するための小ワザなのか? いずれにしても、「料金設定」というものに対して労苦を惜しまないあたりがまことに「あきんど」っぽいと思うのだ。
「連れ出すまでに最低2万以上かかるのか……」
 瞬時に暗算して、躊躇した。しかし、低いパーテーション(一応、この隔たりで男女の席が遮断されている)から覗き見ることができる女のコたちの外見を素早くチェックすると……、若そうだし、ぶてぶてしい態度がいかにも素人っぽさそうだし、なか
なか良さそうではないか。
 ま、いっか……ってことで、1万3千円を受付にたたきつけて(本当は「ハイ」っ
て渡して)、室内にINする。

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