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 ナンパラ(池袋)(3)

 年は27歳と少々イッてるが、ブスではない。
 「ブスではない」と言ってはみたものの、完璧な自信はなかった。

 小窓から名前と年齢と簡単なメッセージを書いた白いプラカードをもった女のコを品定めできるのはホンの一瞬。時間にすれば5秒程度か? すれ違う山手線に乗っている女のコの容姿の是非を見極められる僕としては動体視力には自信があるものの、プラカードに目がいってしまって、そのコの容姿は全体像でしか確認できなかった。しかし、ソレを流すほど僕も悠長な人間ではない。

 確実にキメようと、少々奮発して、メッセージカードにある心付けの欄に6千円(メドはだいたい3千円らしい)と書き提出する。
 数分後、店員からお呼びがかかる。どうやら選ばれたようだ。早々と会話ルームに移動、5分程度千円で2人きりの交渉が始まる段取りだ。

 どうして僕が選ばれたのか? 心付けの「6千円」が破格の価格だったのか? それとも破格に僕がハンサムだったのか?

「他の男客もいたよね? どうして僕を選んでくれたの?」
 と、開口一番訊ねてみる。
「みんな暗そうだったし……」

 少なくとも店内では僕が一番イケメンだった、といった口ぶりで答えてくれる。お世辞にしても悪い気分はしない。
 サマーセーターの胸元がユルい(巨乳!)以外は地味でいかにもマジメそうなコだった。新宿で事務系のOLをしているらしく、3ヵ月前に彼氏と別れ、友人に教えてもらったココで本気の出会いを求めているんだそうだ。現に援交ほかの野心も個室内でお話している限りでは微塵も感じられなかったので、とりあえず「普通のデート」に誘い出してみる。店外デートの交渉に成功した女のコとは、待ち合わせ場所を決め、時間差で会う段取りだ。

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