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昔、「グアム島」のことを「ガム島」と呼んでいた記憶がある。さすがにチューンガムが特別の層にしか手に入らない時代でもなかったが、なんとなく「御馳走な感じ」がただよっていたのもたしかである。つまり、僕にとってのガム島とは、「ご馳走なお菓子の島=お大尽な島」なのだ、今でも……。
そんなグアムの地を踏み、入国の手続き他を済まし、バスでツアー客全員が宿泊するホテルを回って、自由の身になったときはすでに午後の3時を過ぎていた (時差は一時間、日本より早い)。
僕らが宿泊するのは、「グアム・リーフホテル」という四つ星クラスのかなりゴージャスなホテルだった。「ナンバ活動をするときは極力高級なホテルをリザーブする」が信条のサイトーが手配しただけはあった。場所的にもナンバには最高と思われた。グアムの繁華街が集中する「タモン」のなかでも若い女のコたちがもっとも興味津々に違いないメガ級免税店「DFSギャラリア・グアム」やオンリーショップが多数入店するファッションビル「ザ・プラザ」、そして「ABCストア」などが密集する北部に位暦−している。さすがグアム歴4回!あまりに周到すぎる段取り。なんとなくイケるんじゃねえの?って気分になってきた。
午後4時を越えてもまだ照りつける南国の陽射しに毒され(?)、ハイになっているのかもしれない。
別行動をとったときいつでも連絡が取れるよう、念のため携帯電話を空港でレンタルして、とりあえずは二人でホテルの周囲をパトロールしてみることにした。
「ここのホットドッグがいろんなサイドメニュー(無料)をはさめて美味いんですよ」と連れて行かれたセブンイレブンで、サイトーの言うとおりにホットドッグを購入し、外のペンチで食する。当たり前だが食文化は・アメリカ″で、微妙さには欠けるものの、ざっくりとした味わいが悪くない。その直後、早めに女のコと・アポ″だけは取っておきたいということで早速僕たちはナンバに移った。サイトーがいかにもな比較的ハイグレードなデジカメに、いかにもな三脚をくっつけて片手に持ち、僕はいかにもな取材ノートを片手に女のコに声をかける。「『うるる』(『るるぶ』ではない)というグアムのガイドブックを作るため、取材に果ていて、その企画のひとつで『グアムに来ているジャバ二−ズガールを掲載する」ため、タモンで見かけた女のコに声をかけている」といった名目だ。ウソはついてない。ただ、そのガイドブックにはハメ撮り写真も載る予定ってことを伝えないだけである。
ハイな気分も手伝ってか、いつになくアグレッシブに動いたのだ、僕。だが、そんなハイさがアダになったのか、オセロのような地黒と地白なウチらコンビが放つ怪しさがあまりに複雑すぎたのか、声をかけたら逃げるように女のコたちは去っていく。早くも意気消沈……。
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