しかし！やたらパスが次々と来てしまって、バス待ちの女のコが全然いないのだ。あっちがダメならまたこっち、といった具合の往復運動を繰り返しているうちに日が暮れてきた。携帯電話を最大限駆使して、別行動もとってみたものの、今イチ成果なし。

　異国の地で実賞フルに使えるのは残り一日ってえのはあまりにデンジャラス。焦りが潜在ではなく顕在なかたちとして見え隠れしはじめてきた。午後9時すぎ。マイクロネシアモールの隣にある、あまり観光客が寄りつかないらしいファミリーレストラン「キングス」でようやく夕食。
　すると！現地人客にまじって、一組だけ明らかに日本人と思われる女のコ2人が5席くらい離れたところにいるではないか！！　自分たちのメシを急いでたいらげ（ちなみに僕はまたステーキ）、彼女たちがチェックするタイミングを見計らって、同時に席を立つ。

　そして、勇気を出して僕が「どこのホテルに泊まってるの？」と声をかけてみた。どうやら「パレスホテル・グアム」という所に泊まっているそうだ。このホテルは、タモンのホテル街からは比較的外れにある夕日の名所・オタ岬に位置している。
「バスで帰るの？」
「うん……」
「でも、もうバスはないと思うよ。もう（夜の）11時前だし、今日は日曜日だし、どうするの？」
「え−、マジ〜？　じやあ歩いて帰るか」
「歩いたら一時間以上かかっちゃうよ（サイトーの距離感によると本当は30分くらい？）。危ないから僕らの車、乗っていきなよ」
「え〜、どうする〜」
「大丈夫。怪しい看じゃないから」
　と、ピンではウサン臭さの薄いサイトーが抜群のタイミングで初めて言葉を発する。まさに大逆転の予感であった。

　その日は紳士にサラッと送り届け、次の日食事の約束をして、酒をしこたま飲ませ、部屋に連れ込んで野獣と化す作戦をとった。僕らはやれA子チャンのはうが淫乱だ、やれB子チャンのはうが酒飲ませたら早く落ちちる、などと四方山話に花が咲きロクに寝ることができなかった。

【第3〜4日目】
　東京から来たらしい地味めな20代後半くらいの2人組。あまりに好印象っぽい台詞を連発された直後のその時点で僕らはまさかすっぼかされるなんて、発想さえできなかった。こうなったら仕事にも身が入るもので、朝7時から僕は日焼けも兼ね、プールサイドの水着ギャルの隠し撮りに勤しんだ。
　脳天気なはどのんびりとした昼を過ごし、いよいよ待ち合わせの午後6時。
　待ち合わせ場所はパレスホテルのロビー。僕らは昨日ABCストアーで買った赤いタンクトップと黒いシャツでキメて5分前にスタンバイ。しかし、5分10分経っても彼女たちは来ない。30分経過。
　ぶっちぎられたようだ。

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