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  『惑星モケリアから愛をこめて』(2)

今度は私の番。ゆっくりとペニスの頭から下に向かってぺろぺろとなめてゆく。静かな宇宙船の中に、彼のかすかな吐息とぴちゃぴちゃという音だけが響き渡る。私は彼の身体に少しだけ力を加えて上のほうに浮かばせた。右手で優しくペニスをストロークしながら、睾丸からお尻の穴のほうまでなめていく。二人とも宙に浮いているので非常になめやすい。左手でお尻を撫でてあげると彼のペニスはますます硬さを増した。続けて吸いつくようなバキュームフェラ。

耐えかねたのか彼が上体を起こした。たくましい腕が私の肩を抱き、彼の硬いものが私のミクロコスモスに挿入されてゆく。
「ああっ、ん……」

私の唇から思わず声が洩れた。
「第一ミサイル装着」

彼がふざけてつぶやいた。正常位では身体を壁にぶつけやすいので、私は彼を包んだまま回転して、宇宙船の窓の前でバックになった。 
窓からは無数の星たちがきらきらと輝いているのが見える。その中に私の大好きなハニャラ星を見つけた。ハニャラ星は愛する者の為に命を落とした人の魂でできているという言い伝えがある。実際は現地調査がとっくに入っていて、白いおたまじゃくしみたいな浮遊物がいくつも漂っている原因は科学的に証明されているけど、私はそれでも青白い光を放つその星が好きだった。私は窓の超強化ガラスの上からハニャラ星に手を置いて、身体を支えた。これでまたこの星に思い出ができてしまった。結婚してもハニャラ星を見るたんびにTを思い出すだろう。私の最後の恋。気持ちが溢れた。

「中で出して、お願い」

私は思わず叫んでいた。私たちはどうやっても現状の宇宙法を改正しない限り結ばれない身。でも愛してしまったこの気持ちは宇宙の闇に葬ることはできない。ブラックホールも飲み込んではくれない。なぜ違う星に生まれてしまったのだろう。なぜ一緒になれないのだろう。異星人同士から生まれた子供は、すぐに死んでしまう確率が高いからか。また確率か。確率確率。なぜ失敗する確率の事しか考えないのだろう。

「いいのか?本当にいいのか?」

「いいの。最後のお願いをきいて」

彼はちょっぴり悲しそうに笑い、総指揮官としていつもの凛々しい調子で言った。

「第二ロケット発射」

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