俺は、入り口がレンガのアーチで出来ているラブホテルに決めた。休憩は2時間5000円とある。入りやすいこじんまりとしたラブホテルが気に入ったからだ。フロントでスペインの部屋をチョイス。ここの部屋は、いろいろな国の名前がついていた。
せっかくだから、ホテルの部屋の様子を書いておこう。暖房が高めに設定されて部屋に足を一歩、踏み入れるとムッとした生温かい空気が漂ってきた。8畳ほどの広さにダブルベッドが置かれ、部屋の隅にガラスのテーブルと簡単な椅子があった。
奥にはバスタブがあり透明なガラスで仕切ってあり、部屋から丸見えだ。壁にスペインの風景らしい写真が貼りつけてある。スペインの部屋といっても、この程度である。
さて部屋に入り気持ちも落ち着いたら再び電話をしてみた。
「先程に電話した者だけど、今、ホテルにいるんだけど…」
男はホテルの名前と部屋番号を確認した。
「料金はいくらなの?」
「ありがとうございます。料金は90分2万5000円、120分3万円となっております」
「女のコのチェンジは出来ますか?」
「…ええ(イヤな声)。お客さんがよっぽど気に入らないと出来ますが。今ですと28歳、30歳、30代後半もいます」
「細身で出るところは出てるコをお願いします。顔は信用してまかせます」
俺は細身の熟女をリクエストして電話を切った。が、切った後で、もっとくわしく希望を言った方が良かったのかな。と後悔もした。出るとこは下腹が出ていてはシャレにもならないからだ。高まる気持ちを落ちつけようと、ホテルに備えつけのお茶を飲むことにした。どんな、熟女が来るだろうか? 上品な感じだったらシャワーも浴びずに強引に下着を脱がせ濃厚な汗の匂いを嗅いでやろうか。そんなことを考えいると俺
の股間がムクムクと膨らんできた。
しかし、電話してから20分も経過したのに来る気配がない。
諦めかけていたころにドアをノックする音。
「どーぞ」
ドアを開けてみると身長165センチほどの全身が黒づくめの女性が立っていた。
芸能人でいえば、30年前にアイドルとして一世を風靡した天地真理をもう少し若くしたような感じで、ふっくらした顔立ちだった。肉感のある唇に、まっ赤なルージュが印象的で肩まで伸びた黒髪が軽くウェーブをしていた。
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