ひとり残された俺はガウンを脱いでバスルームへと入っていった。
「ともこ」
ペニスにボディソープを泡立てて俺はつぶやく。
「どれ準備も出来たことだしぃ」
早々と体を洗いバスルームから出てブザーを鳴らした。
しばらくして、肩を大きく露出した赤いドレスに着替えた、ともこが俺を迎えに来た。
「おおおつ」
先程のカジュアルな装いとは別人のようである。
ともこは再び俺を豪華な個室へと連れていった。
部屋に戻るとゴロッとベッドに横たわる。
「ええと、お尻に指は入れなくていいからね」
俺はさりげなく伝えて、こう言った。
「きれいな体をしてるね、君は」
「えっ、そんなことない」
「そうかな」
「二十歳の時の記念にタマを取ったから、お肉が体につきやすくなって」
なんだかんだと体のラインは気にするんだ。俺の脂肪たっぷりの腹を見たら何と言うか。
「どうよ、俺のこの腹は」
「えっ、ええっ」
笑ったが?う答えていいものかという顔をする、ともこ。
「じゃあ、ベッドにあおむけになって下さる?」
彼女の指示に従って俺は生まれたままの姿で横たわった。
ともこは部屋の照明をゆっくりと暗くして、ドレスをスルスルと脱いで下着姿に。
オレンジ色の高価なブラジャーとパンティーはおそろいだ。
スリムな体をしてるが、肩幅があり水泳選手のような体つき。
ともこの顔が近くにくるといい匂いがした。
茶髪に俺は鼻を近づけて甘酸っぱいリンスの香りを楽しんだ。
「キスしてもいいですか?」
ともこがプレイの形式通りに俺に聞く。
美しい女性からのど元に包丁をつきつけられたようだ。
自分の性癖を確かめに来たのに何をためらう。たぶん今まで守ってきた何かが崩れるのが怖いのだろう。時間にして1秒たらず。
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