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 バツイチ姉さんと援助交際(5)

「……」
俺は何も言えなかった。
2人で無言のまま歩くと線路沿いには数軒のラブホテルの看板が目についた。俺は比較的に新しい手前のグレーの色をしたホテルに決めた。

 2時間の休憩で5000円。ホテルの一室は落ち着いたグレイ調の壁で、ベッドもこじんまりとしていた。一見、ビジネスホテルのようである。
 ノリコは部屋に入ってすぐに、お金の要求をしてこなかった。身につけたパーカーをハンガーにかけて俺のジャケットも一緒にかけてくれた。
 ホテトルとは違い時間制限がないので、ゆったりしていい。
俺はノリコが入れてくれたインスタントコーヒーを飲みながら軽い雑談。家庭のことは初対面の女性からはくわくし聞くのは、ためらうが、バツイチで子供はいないのが分る
「蕨には100円ショップに買い物に行ってたのよ」
「そうなんだ」
 ノリコには艶のある話はなかった。それにしても初めての男性とホテルに入ったのに落ち着いている。
「怖くはないの? 見ず知らずの男性とホテルに入って」
「あなたは普通ぽかったから大丈夫だから」
「セミプロじゃないよね?」
「違いますよ、普通にお勤めしてますよ」
 俺はテレクラや素人の出会い部屋の時は広告代理店の営業と告げる。西川口には取り引きのある会社があり、求人募集の広告の打ち合わせに来たと。
 風俗ライターと言おうものなら、女が引いてしまうからだ。
「どう、風呂にでも一緒に入らない?」
「ええ」
 ノリコを風呂に誘った。テレクラで会って瞬間恋愛をして少しだけ恋がしたかった。

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