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テレクラ放浪記(1)-4 |
Date: 2003-04-07 (Mon) |
美人とデートできて、なお感謝されて私の気は晴れた。ちょっと惜しい気がするが、主婦だから夕飯の買い物もあるだろう。このまま彼女と別れて帰るつもりだった。
道玄坂を下りながら彼女は突然いった。
「6時ころまでに帰してね」。
時計をみるとまだ2時半すぎだ。
映画にでも行きたいのかと思い「映画がいいですか?」と聞いた。どうせ彼女と一緒にいるならただ画面を見ているより、個室で歌でも唄ったほうが秘密めいていい。
「カラオケはヘタですけど」というと、じっと私を見てたままだ。
それとも渋谷を案内してくれということなのか。私は学生時代によく遊んだ松濤公園に行ってみたくなった。
そのあとブンカムラへでも寄ってシャレたオープンカフェでお茶でも飲もうか。そのことをいっても同意している顔ではない。何か言いたいようだ。
「トイレにいきたい」という。
せまっているようだ。「駅にありますよ」というと「そうじゃなくて」と私になにかを訴えるような甘い目つきになった。
どうも私と別れたくないらしい。彼女が「冷たいのね」といったとき私はドキンとした。その意味がわからなかった。
もしかして、男女の関係に誘っているのか。いやそんなバカなはずはない。
私はそれこそ風采のあがらない中年の失業男だ。フーゾク以外で相手をしてくれた女は数少ない。それも、飲んだいきおいで、そうなった例が殆どだった。
「ね、私はいいのよ」と彼女にいわれた時、あってはならない事が私を襲ってきた現実に足が震えた。まだ猜疑心はあった。デートクラブだったらプロの売春婦の可能性もある。
しかしテレクラだ。しかもどうみてもデートの流れからみて絶対に違う。だいいち本人はまったくの素人というより他にないほどふつうの女性だ。
ホントにトイレかも知れない。じゃあ「冷たい」「いいのよ」のセリフはなんなのだ。私は混乱した。
私は賭けた。とりあえずホテル街へいって彼女の反応をみてみよう。
「さっきの寿司屋の奥に喫茶店があったな」といって坂を急いで戻った。
彼女ははだまってついてくる。百軒店を入り角2つばかり曲がるとその先にはホテルの看板がみえる。むろん喫茶店はない。つじつまの合わない嘘をいってる自分が自分でないような気がした。
「あれ、つぶれちゃったのかなあ」という私の口ぶりは震えていた。ホテルから若いカップルが出てきた。その現実感にまたもや心臓が鼓動した。
彼女は私に寄ってきて「恥ずかしいじゃないの。はやく」といってホテルの方角をみた。いちばん近くにあったホテルのドアのまえに立つと、その自動ドアが開いた。
部屋に入って内側から鍵をかけたとき心臓の鼓動は少しおさまった。と同時に下半身に血が流れるのがわかった。
彼女がトイレをつかうようすがないので「トイレはいいの?」と聞いた。
ソファに座り「まったくおバカさんなんだから」と私を見るでもなく言葉を吐いた。
彼女の隣に座りタバコを取り出すと「久しぶりに吸ってみようかな」といって私のタバコを奪った。なにを話していいのか。急に抱きつくのも失礼だ。かといってタバコをふかし続けているのも場所がらおかしい。壁にシュールっぽい絵が飾ってあった。
「こういう絵好きなんですよ」ととりつくろって関係のない話題をだしたが彼女の反応はなかった。しかたなく「とりあえずシャワーを」と促すと「はい」といって立ち上がった。といっても脱衣所もない狭い部屋だ。私はベッドの枕元にあるスイッチをいじくり回し、やっと見つけた照明の調光スイッチで部屋を暗くした。
「ヘンな女に見ないでね。あなたが悪いのよ」といって後ろむきになり服を脱ぎ、それを丁寧にたたみソファにおいた。私はそのボディを正視できずテレビのスイッチを入れた。
ブラジャーとパンツ姿になった彼女がシャワールームにきえた。あの女が抱けるのだ、と思うと私のペニスはトランクスに当たってもがきはじめた。
うすいブルーのスリップがシャワールームからの弱い光にあたって綺麗だった。思わず私はそのスリップに鼻を近づけた。
備え付けのピンクのガウンを羽織って久美子は出てきた。シャワールームでみる私のペニスは張っていた。バスタオルを腰にまき、部屋に戻ると久美子はベッドで横たわっていた。
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