■ テレクラ放浪記(1)-5 | Date: 2003-04-07 (Mon) |
その日私と久美子は2回性交した。
ただもう夢中で久美子の体をなでまわし、交わったというほかない。
セックスの最中は二人とも無言だった。
なにか動作が一瞬止まると久美子を口を私に向けキスをせがんだ。ビールの匂いがかすかに残る彼女の口内は柔らかで、それだけでも射精しそうだった。
1回目の性交を正常位で済ませたあと久美子は「早いじゃない」と初めて不満をもらした。
私があわてて「1カ月ぶりだったから」と弁解すると「奥さん病気なの?」と聞いた。
そういえば彼女の身の上話ばかりで、私が未婚であることはいってなかった。
「東京って多いのね」と感心していた。目が慣れてきて久美子の全身も見えてくる。ということは私の体も見られている。私はバスタオルで自分の出腹を隠した。
射精してやや落ち着いた私は久美子に対する疑問を率直に質問した。どうしてテレクラにかけたのか、どうして私と会ったのか、さらにホテルまで入ったのか。久美子は考えながらも素直に答えた。
夫は仕事が忙しくて毎晩遅く、土曜日も出勤。日曜日は接待ゴルフ。友達もいず、子供もできないこともあり一時はノイローゼになり、一人で札幌に戻ろうと思ったこともあるという。
初めて渋谷に買物に来たときもらったティシュをみてテレクラにかけたら、いろんな人と話ができる面白さにひかれ、つい時間があるとかけるようになったらしい。
「私がテレクラに行ったのは今日が初めて」というと「テレクラの人もそういっていた」といった。
彼女の希望は30代の男性だったが、生憎その年代の客がいなくて、私にまわってきたのだ。
「初めてのお客さんで、いい人がいる」とテレクラの店員に紹介されたのも手伝って会うことに決めた、ともいった。
そのあとも、テレクラで会った男のことなどもしゃべった。
その話によると、私を入れて会った男性は5人。だが、ホテルまできたのは私が初めてだという。
金をあげるから愛人になってくれと迫られたり、5万円出すからホテルに行こうと誘われた時は、びっくりして逃げ帰ったと生々しく話した。
でもテレクラの魅力には勝てなかったとみえ、週に2回ほどはかけるようになったと小声で話した。
最後に「ほんとに私のことを聞いてくれたのは初めて、それでつい一緒にいたいと思ったの。でも私が一生懸命誘っているのに知らん顔なんだから。自分勝手な人ね」」といって私のお腹をつついた。
いちおう納得できる理由だが、そんなことだけで、見も知らぬ男とベッドに入れるのか。
がそれ以上つっこんでもしょうがない。それより今の現実だ。私は掛け布団をとり、久美子の全身を改めて観察した。
小さめの乳首といい、透明感のある腹の肌といい、流れるような恥毛といい、私を見つめる瞳といい、たまらなく興奮が戻ってきた。
私は久美子の性器に口をつかって愛撫した。
「こんなことしていいかしら」といって初めて彼女は私のペニスに舌を這わした。
ピンクサロンで経験したような無理やりくわえるやり方でなく、ただ口に入れるだけだったが、その横顔を見ていて極度に血が流れた。
「もっとみたい」といって俺が逆の姿勢にになって久美子に乗り、陰部を思い斬り拡げ舌を入れると、久美子は私の肛門近くまで舌をつかってきた。矢も楯もたまらず、彼女を後ろ向きにさせ、後背位で結合した。
腰を動かしているうちに初めて久美子は声をだした。
3分ほどで射精し、またもや叱られるかなとおもったが「今度はおりこうちゃんでしたね」と久美子は笑っていた。
そのあともしばらく私と久美子はベッドで話した。
「子供ができない女って寂しいものよ。彼としてても楽しくないし。イメージ壊れるかもしれないけど、私ってけっこう遊び人なの」といっていたのが印象的だった。
ホテルをでて「きょうはごちそうさまでした」と私に頭を下げ、自分のいったことに気がついたのか「お寿司のことよ」といって笑った。
「渋谷で惣菜売ってるとこないかしら」といわれ東急本店まで歩くことにした。
途中にたくさんあるラブホテルを見て「すごいとこなのね、渋谷って」と感心していた。東急まで行くあいだ5組ほどのカップルとすれ違ったが、久美子は群をぬいて美人だった。
上階にある食品売場に案内するとグラタンと漬物を買っていた。そのあと1階の化粧品売場に寄り、久美子は外国製のシャンプーを買った。駅までの途中もほとんどの男は久美子を見ていた。
駅構内で別れ山手線に乗って、彼女の連絡先を聞くのを忘れていたことに気がついた。が、まあいいか、またあのテレクラに行けば会えると軽く考えていた。
それまで数人の人妻とセックスした経験はあったが、久美子に比べれば全員くたびれたスリッパのような感触だった。本物の人妻と本物の不倫を体験した私はなにか一回り大人になった気分だった。
今度会ったら浅草にでも案内して有名な天丼でも一緒に食べよう。そのあとはもっと大きなホテルに入ってやりまくろう。それとも箱根あたりに日帰り温泉旅行としゃれるか。退職金が振り込まれたら全額久美子につぎ込んでもいい。
それを思うとまたもやペニスがうづいた。
池袋でおり、さきほどのテレクラに電話し「いい人と会えてありがとう」と礼をいうと「報告の義務はありません。それより時間があったらいつでも寄って下さい」と丁寧に返事がきた。
自宅へ帰ってからもなにか落ち着かず、夕飯まえに久美子と温泉旅館の部屋でセックスする想像をしながらオナニーをした。
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