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  テレクラ放浪記(10)-4 Date: 2004-01-12 (Mon) 
 ミドリの顔を引き寄せてキスすると、口をわずかに開いて舌で私の唇を舐め回した。

「小さい唇でかわいい」といってフレンチキスで攻撃されると、私の下半身に血液が流れた。ベッドに押し倒してキスを続けながら私はミドリのジーパンを下げようとした。「ちょっと待って」といってゆっくり自分で脱いだ。

 私は神保町の古本屋で見つけたキワモノ系雑誌の記事を思い出した。

 その記事では、アメリカでは〈肢体欠損者〉は「アンピュティ」と呼ばれ、そういった肢体欠損女たちとの交際のためにつくられた雑誌のことが紹介されていた。腕や足のない女の写真には番号が付されてあった。大量の交通事故が日常化していて、なお〈性的先進国〉である彼の国のおおらかさを羨ましく思った。

 パンツのまま、脚を開かせて股の部分に口をつけた。彼女はなすがままにしている。ミドリはバスルームの湯を溜めてくれたり、出るとバスタオルを用意してくれたり甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。一緒の風呂に入りたかったが、かたくなに拒否された。ミドリは全裸になってもロングソックスだけは履いていた。かえってそれは煽情的だった。私はそれを脱がせた。生ぐさい口臭や濃いめの体毛、尻の肌がザラザラしているところも〈高校生的〉で私のスケベオヤジ心を満足させた。

風俗体験取材 末森ケン  フェラチオはぎこちなかったが、ベッドに座った私の前に正座して両手をペニスにそわせて、ゆっくりと頭をふりながらする態度に私は満足だった。お礼に彼女のすぼまった肛門の周囲に舌を這わせると、正直に「すごい気持ちいい」とカラダ全体をピクッとさせた。約4時間ホテルにとどまり、正常位と後背位で性交した。「よかった」といいながらも彼女がイッた感触はなかった。

 終わったあとソックスの上から足をマッサージしてあげると「あったかくて、いい気分」と目をつむっていた。

 ホテルのフロントで会計をしようとすると「ここは払います」といって譲らず彼女は私が渡した1万円札を窓口に出した。

 どういうことなのか、その意味はわからなかった。とにかくミドリは金そのものが目的ではないようだ。何か得した気持ちで訊ねた。「いいの、これで?」「いいじゃないですか。ちょっと気が変わったんですよ」といって彼女はなんでもないようにしゃべった。このままではなにか申し訳ないと思い、駅ガード下の地下にあるオムレツ専門店に誘うと喜んでついてきた。おいしそうに食べていた。

 「今日はいい午後だった。ありがと」とお礼をいうと「こちらこそ」と笑った。トイレから戻ると会計は済んでいた。これでは彼女は逆に千円ほど持ち出しになってしまう。それをいうと「いいから、いいから。気にしない」といって手をふった。

 駅で別れるとき「交通費にでもして」といって3千円を渡すと「ありがとう」といって頭を下げた。ミドリには私の連絡先を教えておいたが、それきり電話はなかった。

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