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  テレクラ放浪記(2)-3 Date: 2003-04-17 (Thu) 

 女性は三越の前にいた。薄いグリーンのワンピースを着た小柄な女性は私をみとめると、近づいてきていった。「こんにちわ」と挨拶されたあと「私でかまいませんか?」とはにかむような仕種をしていった。かまうもかまわないもない。それには返事せず私は「わざわざ遠いところを」といって喫茶店に誘った。

 よく見ると久美子とは正反対の地味な顔だちで、しかも33才とはいっているが30代後半だ。私はナオコと名乗ったこの女に少しがっかりした。彼女は夫に対する不平を初対面の私に話した。彼女の夫は長距離トラックの運転手で、週に2日ほど帰ってくるだけ、しかも家では寝てばかり。そして驚いたことに「運転していると、腰がわるくなってね。夫婦の生活はないんですよ」と私が答えに困る話題にまでいった。

 私が独身だと知ると彼女は「あれはどうしてらっしゃるの?。お体に毒ですよ」といった。「女性とお付き合いする機会があまりないもので」と、適当にこたえた。「アタシだったらどうですか?」といった時の彼女の目が単なる思わせぶりでなく、何年かぶりに女性から受ける欲情のサインであることに気がつき、私は動揺した。それに気づかれるのが恥ずかしいこともあって、私は水を飲んだ。

 女性はそのあと下をみたり店内を見回したり、そわそわしだした。さかんに水を飲んでいる。とぼけたふりをして「ご用事があるんですよね」というとテーブルのコーヒーカップを見ながら「私じゃあダメなのかしら?」と小声でいった。

末森ケン

 その意味はわかっていた。

 が、久美子といい、目の前の女といい、出会って間もないのに男女の関係を望む態度は不思議だった。それも私が口説いているというより誘っているのは女のほうだ。私は彼女にうなづいて「静かなところへ行きますか」といって伝票をとった。久美子に比べると格段に質の劣る女ではあったが、思い切り外出化粧をして私に会いにきたと思うと、いとおしくさえ思えた。さらに知り合ったばかりの、見も知らぬ素人女とセックスできると思うとフーゾクとは違った性欲がわきあがり、ホテルへ向かう途中はなにを話していたか覚えがない。

彼女のセックスは積極的だった。といってもフーゾク嬢が早く射精させるためのものではなく、男の体を楽しみたい、といった姿勢が感じられた。ホテルに入るや彼女は口紅をティッシュでぬぐい「まったくもう紳士なんだから」といって私にキスを求めた。久美子からも同じようなことをいわれたことを思い出した。そして私の両手を自分の尻にもってゆき「思い切りさわって」と催促した。私はスカートをめくりあげ、パンツの中に指を入れた。

 肛門から膣にかけて粘液を感じた。私は久美子の時とは反対に〈女〉を使った。あれほどの美人があれだけのことをしてくれた。ということはこの女だったら、もっとしてくれていい、と思うとさらに大胆なことをした。私は固くなっていたペニスをとりだし彼女の手を添えた。

 ペニスの皮をむいてくれた女は「舐めていい?」といったあと、しゃがんでそれを口に含んだ。私は「やったあ」と思わずその嗜虐的な快感を得た。「ちょっと待って、洗うから」とわざと注意したが私の腰をつかんで唾液をつけながら彼女は口を離さなかった。週刊誌のエロ記事では、こんなシーンはよくある。だが実際にはないだろうとたかをくくっていた。それが現実におこっている。

 私は次の動作に移った。女を抱き上げベッドにころがして下着にさせ、パンツをとり、そのまま性交するつもりだった。が、女はそれを拒否し「暗くしてて待ってて」といってバスルームに入った。

 「お先に」といって戻ってきた女はベッドにもぐりこんだ。私は気があせっていたのでペニスと尻あたりだけ洗い、バスタオルをまきつけ、部屋に戻って女の横に入った。女は「そのままにしてて」といって布団を除け、私の全身裏表を舐めてくれた。

「男の匂いってすてきよ」といって尻の穴を拡げられ舌でつついてくれた。それも吸うように。女の性器を舐めようと腹に顔を近づけると女は腹を押さえた。よく見ると下腹部に手術跡がある。「ごめんなさい。帝王切開なの」といったあと「だから、ゆるくはないの」と弁解した。そんなことはどうでもよかった。私は舌と唇を使って陰唇の感触を楽しんだ。「ありがとう」といって女は脚を全開にして準備をした。

 「アレはダメになったから、ゴムはしないで」といわれそのとおりにして性交した。

 終わってから女はバッグから箱を取り出して「これ、して」といった。それはペニスの形をした黒い色のバイブレーターだった。亀頭の部分は人の顔に似てつくられ、根元にはベロを出した熊がついている。結合時間が短かったことを謝り、私は雌犬の形になった女の後ろからバイブを入れて教えられたとおり、リモコンのスイッチを入れた。ちょうど熊のベロの部分が彼女の肛門に触り、ブイーンと音をたてて震える。ペニスの形をした本体はうねるような動きをし、女は5分ほど声をだして喜んでいた。

 彼女が頂点に達したあと引き抜くとバイブには白い液体がついていた。バイブを使ったのは初めてだった。そんなモノで女が喜ぶのは架空の話だと思ってはいたが、目のあたりにしてバイブの力を悟った。

 タバコを吸うため照明を明るくすると、彼女の肌の粗さと垂れ気味の乳房に気がついた。だが、久美子とは比較にならない質にも係わらず、その現実的な卑猥さにかえって親しみを感じた。

 しばらく世間話をしているうちに、どちらからともなく誘い、後背位で性交した。

 久美子はメインの恋人として、この女は性欲中心のサブとしてこれから使ってみよう。私は自宅の電話番号を書いたメモを彼女に渡した。「また会いましょうね」といって彼女はそれをしまった。帰りがけに「夕飯のおかずを買わなくちゃ」というので、西武デパートに寄って特売のヒレステーキ肉を3枚買って彼女のバッグに入れてあげると喜んでいた。

 二人の女との出会いは私の性的なテンションを高くした。それまでの二十数年間の性欲処理はいつもフーゾクだった。金を払ったぶんの相応なサービスを受けられれば、それでよかった。私は今の言葉でいう〈恋愛不能者もしくは性的弱者〉であることは自認していた。性的な対象となる女がいない男は、金で女を買う権利が当然あると思っていた。恋愛は苦手だった。というより30代後半を過ぎてからは、まったく女性から性的な対象として興味をもたれた経験はなかった。だが、テレクラで会ったこの二人の女性は私をオトコとして扱ってくれた。たった2週間あまりのうちに私は女を全部知ったかのような満足感に酔った。

 あまりにも唐突な性的出来事に私は彼女たちとの出会いの一部始終をノートに記した。それほど、私にとっての〈失われた二十数年間〉からの脱出に感激していた。

 二人目の女・ナオコとのセックスは久美子との出会いにもまして私を興奮させた。一時は〈事故〉として処理していた久美子との再開も不可能ではないと思うようになった。サラリーマン時代フーゾク遊びに凝っていた間に素人女性は過激になっていたのだ。そしてテレクラのおかげで、さして苦労せず2人の素人女を手に入れることができた。もう少したてば退職金も入る。

 久美子と再開できたら金をかけるつもりだ。海外旅行は無理だとして、彼女の故郷の反対の九州の湯布院にでもでもいって、山の見える部屋で久美子を抱くことを想像するだけで胸やけがした。

 もう一人の女・ナオコとはセックスフレンドとして金をかけずに思い切りセックスを楽しんでやろう。あの調子だと、どんなセックスを望んでも拒否はしないだろう。奥多摩にでもハイキングに誘い、野外セックスでもしたい。久美子にたいする恋人的な性欲とは別に、ナオコにたいする肉体的欲情に私の頭に血がのぼった。

 二人とも俺の女だ。もしかすると彼女たちと3人でセックスできるかも。想像すると、再就職のことはどうでもいいとさえ思いはじめた。とりあえずナオコだ。2,3日したら連絡があるだろう。最初のテレクラの店員には、久美子から私あてに伝言でもあったら、私の自宅の番号を教えるよう、強引に電話で指示した。待ちの姿勢で10日ほどは外出せず、彼女たちとのプレイを想像して、日に2回ほどオナニーした。

 しかし、両人からはまったく連絡がなかった。決意してまた初回に行ったテレクラへ足を運んだ。が、久美子とは会えなかった。その当時、テレクラの各個室には〈情報ノート〉が置いてあり、会えた女のことや、テレクラに対する不満、あるいは関係ないことまで、好き勝手に客が書いていた。

 「◯月×日 2人組の女子高生と朝までやりまくり」など女の下半身の情報に混じって「この女はくさいので注意」と書いてあったページには女の顔と下半身のイラストもついていた。あとは「ここのテレクラは全然鳴らない」「金返せ」「池袋はダメ、渋谷がいい」というような不満が殆どだった。私は久美子のことが書いてあるかもしれない、と思ったが、それらしき記述はなかった。よく考えてみれば当たり前だ。その日は午前中2時間いて数人の女性と話せたが、会う約束はとれなかった。

 私はその足で2回目に行ったテレクラに入った。が、ここでも同じような状態だった。帰り際に店員は、今日は土曜日だから私の年齢では不利だ、というようなことを助言してくれた。テレクラにはタイミングが必要なことを、その時知った。

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