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  テレクラ放浪記(2)-5 Date: 2003-04-17 (Thu) 
2.初めての援助交際女子高生・サオリ

 初めて女子高生を〈買った〉のは8月の半ばだった。その頃には私のターゲットは主婦に決めていた。
若い女とも遊べたが、その頃〈女子大生病〉といわれていたクラミジアなどの性行為感染症が流行りつつあることを週刊誌で読んでいたので、主婦であれば病気の危険も少ないはずと思っていた。

 それに「お金ちょうだい」「あれ買って」「超気持ちいいことしたい」と若い女のコールがストレートなのに比べて、主婦からのコールは会話自体が楽しめた。
夫への不満、友達同士のいさかい、子供の教育、芸能人のウワサ話、3食昼寝つきの優雅な生活を想像していた私には、どの話も新鮮で、30分、1時間くらい話し込むのも珍しくはなかった。
そのためテレクラに行くのは平日の午前中と決めていた。食事かお茶に誘えば3人に1人は応じてくれ、その半数とは会えた。会えればよほどの不細工な女でなければホテルへ誘った。「そんなつもりじゃ」といわれ断られた女も数あったが、「もっと仲良くなりたいな」といえば相手もわかっているとみえ、「まだ知り合ったばかりじゃない」とかいいながらも、まんざらではない顔でついてきた。

 だが、夏休みに入ると主婦コールはパタッと止まった。さらに夏休みを利用してくる学生、サラリーマンなど若い男性がテレクラ客のほとんどを占め、当然彼ら目当ての若い女性のコールが多くなり、私あてに電話がまわってくるのは稀だった。

 そのころには〈援助交際〉という売春コールも10本のうちに2.3本はあった。

それまでの二十数年間私の性欲処理のほとんどはフーゾクだったので、それに抵抗はなかった。しかし、一回のセックスにかかるコストからいうとフーゾクの2倍以上はかかるらしいことがわかりそれには応じなかった。さらにテレクラに来てまでそんな女を買うならホテトルのほうが割安で安全だとも考えていた。
バブルといわれた熱狂的な金狂い土地狂いはすでに下降期に入っていたが、まだその熱は残っていた。そんな余熱に煽られ、〈援交〉女たちの要求額は想像を絶するものだった。

 「アタシってまだあんまり経験していないから、5万以上でどう」「絶対かわいいから7万」「1回だったら3万。2回だと5万」「15歳だよ、10万でいいから」「この前オジサンから8万もらった」「制服着たままでやらせてあげるから4万で」。最初私は彼女たちの言葉を信じてなかった。いくら女子高生でもそんなに金をだす男はいないと。だが、そうでもなかった。通常テレクラでは女子高生と18歳未満の女のコールは繋がなかった。
声の若いコールは店員が生まれ年と干支を聞いて確認してから客に繋げるシステムと聞いていた。だが女のほうもそれを知っていて、嘘のをいってその網をくぐり抜けていた。

 ある日、女子高生からの援交コールを受け、断ったところ、再度電話してきたとみえ隣の部屋に回ってきた。
「いまどこ?。どんな体型?。ストレートのロングね。ハンズの前なの?。どんな服装?。チェックのスカートに黄色いバッグね。いくら?。じゃあ真ん中とって4でいい?。じゃあ10分後にね」と大声で話している。

 その内容からして、さっき断った女だ。その女は16歳で「かわいいと思うしい、エッチもうまいからあ」と電話で私に5万を要求した。その時は私は外出可のコースで、時間もたっぷりあったので、先に店をでてその女を見てみることにした。

 東急ハンズの真ん前にその子は立っていた。髪を染めて不良みたいな化粧をしている女だと想像していたが、はずれた。いったとおり、小柄でかわいらしい女の子だ。この子が見ず知らずの男と金でセックスするのかと思うと、心臓が高まっていく。

 その子に声をかけたのは40歳くらいの、私よりさえない男だった。女の子は笑って会釈し、二人は脇の道を奥へ入っていった。テレクラへ戻っても、あの二人は今頃どんなセックスをしているのだろうと想像すると、電話どころではなかった。

 翌日私は銀行で5万円をおろし「??校生コール鳴りっぱなし」とフーゾク新聞の広告にでていた池袋西口のテレクラへ行った。店はかなり混んでいて、両隣の個室からは大きな話し声がする。

 男の話し方はかなり乱暴だ。
「すぐ会おうよ」「いくらでする?」。
店によって客の性質が違うことはわかっていたが、極端だ。私もその雰囲気に飲まれ、電話が繋がったとたんに「会えるの?」と聞いていた。
「東京以外の女子高生は断って下さい」と店員が話していた意味がわかったのは最初の女の話からだった。

 「埼玉のコと遊ぶとしょうねん条例とかでやられるじゃん。アタシは東京だから大丈夫」といってた17歳の女とは、すぐ近くの丸井の前で会った。金髪に厚化粧のその女は会うなり「お金は先払いで3万。彼氏に悪いからキスはダメ。ナマ出しはプラス2万」といって私の顔をみた。
この女にそんな大金を払う意思はなかった。「ごめんね」といって去ろうとすると「交通費は?」という。

 意味が判らなかったので黙っていると、彼女は説明した。会うだけでも小遣いを貰うのがルールらしい。トラブルはイヤなので千円札をだすと受け取って「またねえ」といって消えた。

 その時、東京と長野県以外では青少年育成条例があり、18歳未満の青少年と性行為をすると罰せられることを知った。教えてくれた店員の話では、たとえ東京であっても男か女のどちらかが東京以外の地域に住んでいれば、その地域の条例で逮捕されるらしいこともわかった。

 「私は失業者で、捕まっても初犯だから」というと店員は「新聞に実名ででますよ、それにウチも困りますから」と注意してくれた。さらに条例では「性行為」ではなく「性交類似行為」と表現され、セックスそのもの以外にも、いわゆるペッティングもあてはまる、と聞いた時はヘンに感じた。

 私は繋がった女子高生には全員に「どこに住んでるの?」と聞いた。赤羽の女子高生は2万でいいといっていた。試しに赤羽駅の近所あたりのことを聞いてみたが、はっきり答えられないのでパスした。

「一枚ももらえたらいいよ」という16歳の女は小柄で素朴な感じの女のコで、決めた、と思った。がホテルへの途中「アタシみたいな県立のコも多い?」と聞かれ涙をのんで別れた。

 サオリと繋がったのは午後3時ころだった。

 世田谷に住んでいるという彼女は私立の2年生で、パルコに買物に来たといった。要求額は3万。
「これから会えるの?」と聞くと「いいけど、オジサン、先生とか警察とかヤバい人じゃないよね」と何度もくりかえした。
「ふつうのサラリーマンだけど」といっても信用していない様子だった。
「こっちも学生証あるからオジサンもなにか持ってる?」としつこいので電話を切るつもりだったが「テレクラの会員カード3枚持ってるけど」というと「じゃあ安心だね」とヘンなことをいったあと、近くのファーストフード店の前で会うことになった。

 テレクラで初めて女子高生を買うという秘密の行為に、私はドキドキしていた。

 白いニットのワンピースにデニムのリック、身長150センチちょいのショートカットの女はたしかにそこにいた。

 だが、となりにいる同年代の女と話している。私がサオリを見ていると彼女は私に近づいてきて「さっき電話したひと?」といった。私はとなりの女の子をみた。「いいの友達だから」というとその女の子はちょっと頭をさげた。ロングヘアで身長の高い子だった。

 まさか3人でホテルへ、と思い「ひとりじゃなかったの」と聞いた。「そのまえにお茶しない」と誘われ、わけがわからないままデパートの隣にある喫茶Fに入った。

 渋谷では知ってる人がいる可能性があるのでパス。一人では心もとないので、男と会う時はその友達と一緒。自分とその友達が男をみて、安心そうだったらホテルへ行く。こう説明したあと「この子ってまだ処女なの。だからホテルは行かないの」とサオリはいった。

「約束だから見せて」とサオリにせがまれて、私はテレクラの会員カードを見せた。「どうしてカードを見せると安心なの?」と聞くと「だってえ、本名書いてあるじゃん。ヘンなことしたら、あのテレクラに電話してやるの」といって笑っていた。
「ヘンなことって?」「金払わなかったり、しばったりとか」。「学生証は?」というとビニールでシールされた学生証を見せてくれた。
名前と住所の部分は黒いテープで隠してあった。名前だけは聞いたことのある女子校だった。
私は「それはいいけど、君はどうするの?」と友達に聞いた。
「また(テレクラに)電話して若い人がいたらお話するだけ」とサオリが答えた。

 私とサオリは北口のホテル街へ向かった。どうみても親子の雰囲気ではない。すれ違う人のほとんどは私とサオリを観察していた。ホテルへ入るまでは気が散漫になっていた。

 ホテルへ入って「あの子だいじょうぶかな」というと「すごくかたい子だから」といったあと「オジサン、処女好きなの?」と聞いた。「あの子って、夜、自分でやってるの。おかしいよね。どうせやるなら男のほうがいいに決まってるのに」と笑っている。女子高生とはいってもセックスに関するかぎりは私の想像を越えていた。

 サオリは奔放だった。

 私より先にすっ裸になると「一緒に入ろうよ」といって私が脱ぐのを待っていた。水着の跡がくっきり浮いた小柄な体は新鮮にみえた。イヤがる女と無理やりしているわけじゃない。この子はセックスが好きなのだ、と思うと援助交際に対するやましさは欲情で消えていた。

 サオリの行動は愉快だった。「オチンチン見せて」というのでバスタブで、彼女の顔の前にだすと、ペニスをつねって「病気はないみたい」といったり、「私も安心だから」といって目の前で性器を拡げたりした。

 寝室へ戻ると彼女はカラオケを始めた。中森明菜の歌はヘタだった。そのあとサオリは部屋にあったアダルトビデオを熱心に見ていた。

 サオリは自分でいうほどの性技はなかった。キスは不自然に唾液をつかって固い舌をからめる。フェラチオはピンクサロンのように極端に頭を上下させる。AVそのまんまという感じだった。彼女が喜んだのは固くなった乳首へのキスで、目を閉じたまま声をだしていた。肛門にまで達する陰毛をかきわけ、陰唇とクリトリスを舐めても感じている様子はなかった。膣に指を入れても潤ってはいなかった。

 サオリの体の下に枕をしき、腰を抱えて正常位で交わった。コンドームを始末していると「初めての人だと燃えないの。今度はちゃんとやるね」といった。

 ホテルを出る時、お金を渡していないのに気づき、財布から3万円だして渡すと「私って忘れっぽいから」といったあと自分の財布から千円札を5枚だして「これホテル代」と渡してくれた。

 「お金ためてどこか旅行でもするの?」と聞くと「そんなことしないよ。あの子とクラブ行くの。ナンパしてくるヤツって金ないじゃん。ホテル代とかメシ代なんていつもアタシもちなんだから」 「渋谷のAだったら金土にいるよ。くればいいじゃん。モデルやってる友達紹介してあげっから」と屈託なく笑った。

 彼女の〈営業態度〉に女子高生とセックスした感激はなかった。吉原のソープランドからの帰りのタクシーの心中のような、虚脱感だった。なにかものたりない。私は以前通ったことのあるキャバクラに立ち寄った。

 今でいうセクシーパブのはしりのこの店は、常連になると奥の席に案内され、全裸になったホステスからディープキスとおさわりのサービスが受けられる。やはり大人の女はいい。大柄で肉付きのいいホステスは柔らかい舌を使って私の歯茎まで舐め上げてくれた。

 弾力のある大きな乳を左手でもみながら、右手は柔らかい膣。彼女の右手でペニスをこすられておしぼりに射精した。

 9月に入れば主婦コールが復活する。夏の後半はテレクラに行かず、もっぱらテレクラレポートの作成に専念した。

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