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  テレクラ放浪記(4)-5 Date: 2003-05-22 (Thu) 
 その体験をある編集者に話すと、六本木にあるSM専門のテレクラを紹介された。

 私は〈解剖セット〉をバッグに入れて早速出動した。
店に入って受付を終わると店員から「女王様コールとM女コールのどちらをご希望ですか?」と聞かれ迷った。
「取材だからどっちでも」というと「M女コールのほうが会えますよ」といわれ彼の言葉に従った。

 この日のために神田の古本屋で買ってきたSM雑誌を読んではいた。が、にわか仕込みの知識しかなく、M女コールが数本かかってきて「どんなプレイがお好きですか?」と質問されても、ドギマギして答えられず電話を切られてしまった。
店員にこのことをいうと「M女の場合は男性の信用が第一です。縛りのプレイもあるわけですから、写真をとられたり、物を盗まれたりする可能性もあります。当日のアポより何回か話してからのアポを勧めますよ。それと大事なことは、どんなプレイが相手は好きなのかを具体的に聞いておくことです。M女は微妙ですから、M女だからといって馬鹿にしたり見下したりすると電話を切られますよ」と親切に指導してくれた。

 気が楽になった私はかかってくるM女コールに、単刀直入に希望プレイの内容について訊ねた。
「私を支配してくれる社会的な地位の高い男性に支配されたい」
「私を奴隷にしてくれる若くてかっこいい男に思い切り恥ずかしいプレイをされたい」。

 実際の女性の声を聞いて、SMの世界なんて雑誌の作り上げた空想だと思っていた私は、これほどまでにM女がいることに驚いた。
具体的なプレイは「全裸にされて、車の後ろの席に縛られて、そのまま街を走ってもらいたい」「浮浪者によってたかって犯されたい」「全裸で縛られた状態で川のなかに沈められたい」など、私にはショッキングなものだった。

 しかし、アポはとれなかった。そのことを繋がった40代の女に話すと「あなたは本物のSの声じゃないわよ。それに話しぶりから経験はないようね。Mの女って相手の男の社会的地位に憧れるの。強い男に支配されたいって。もっと勉強していらっしゃい」。

 テレクラ女にこんなこといわれたのは初めてだった。その日はそれで帰った。

 次に行ったとき、責任者らしき男に前回の報告をすると「思い切ってM男になられてはいかがでしょう。よっぽど相性がよくなければM女とは会えませんよ。M男のほうが会える確率は高くなります。どうしてもアレをしたければ、プレイをしたあと、ご褒美としてやらせてもらう他ないでしょう」。

 かなり屈辱的ではあったが、事実ならしようがない。

 M男希望コールの女は厳しかった「そんな声じゃダメ。もっと奴隷らしくしなさい」「女王様のウンチ食べられるわね」「本物のムチの味知ってるの?」と、とても受け入れられるプレイるではない。

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