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  テレクラ放浪記(7)-4 Date: 2003-07-09 (Wed) 
3.援交デビューの女

 ある日の午前中に繋がった女は21歳で国立大学の学生だといった。
 ギリシャ哲学を専攻しているというだけあって、わけのわからない用語を使って私に説明してくれた。
なんでも長野で行われる夏休みのゼミ研修の資金が足りなくて、雑誌で見たテレクラだったら資金援助をしてくれる男がいると思って電話をしたらしい。
「男性経験はあまりないですけど、いいですか?」と電話でいわれた時、妙にその言葉にそそられた。
小柄な体型でメガネをかけた素朴といってもいいその女アサミは要求金額をいわなかった。

 世の男がそうであるように私も未経験な女、つまりウブな女には惹かれるものがあった。それは私が〈性的弱者〉である証拠だった。

 弱者はそれ以上の弱者に対して強権を使うことによって自分を確認することができることは社会学で指摘されている。私が最も不得意とする30歳前後の社会人は〈強い女〉だった。
世の中の構造、男と女の大人の関係を知っている女に対して私にはなんの武器もなかった。
思ってみれば私がゲットできたのは一時的に心の病に落ち込んだ弱い女だけだった。その足元を見て、いわば脅迫してセックスに持ち込んでいるだけだった。

 その女は本当にテレクラ未経験のようだった。

 私がホテル直前に、例のごとく「あっ、そうだお金はさっき使っちゃったんだ。ごめん」といった時、彼女は「やっぱりダメなんてすね。美人でもないし、経験もないから」と申し訳なさそうにいった。

この女は、テレクラに来ている男は美人でセックスの技術に長けている女を買いにきていると思い込んでいた。
「そういうわけじゃないけど」と立ち止まって、私は彼女と交渉することにした。
「どうしよ。交通費だけでも今日中に払わないと」といって下を向いた。
「じゃあホテル代もいれてそれでよかったら」というと「お願いします」と頭を下げた。
財布には1万余りが入っている。渡りに船だった。

 彼女の思い込む〈弱み〉は私にとっては刺激的なのだが、そんな私の気持ちも知らず「ごめんなさい」を繰り返していた。

風俗体験取材 末森ケン 私は彼女を徹底的にイジメぬいた。

 口をあけようともしないキスの態度に「それじゃ、キスとはいえないよ」といって舌のからませ方と唾液の吸い方を教えた。洗ってもいないペニスを舐めさせたときは「結婚したら普通だよ」といって根元まで口に入れることを強制した。
それでもイヤな顔をするでもなく「教えてもらってお金をもらっては悪いみたい」といって私に従った。
スーパーでまとめて売っているような貧相な下着だったが、私には新鮮に感じた。

 驚いたことにシャワールームで彼女の性器と肛門を洗ってあげると「そんなとこ洗うんですか」といって身をひいた。「洗わないの?」いうと「たまにしか」と答えた。
私は性教育をしてあげた。
「これがクリトリスで、膣は雑菌がたまるから清潔にしないと」と教えながら私は舌でつついた。
彼女は恥ずかしがらず真剣に授業をうけた。

 病気の心配はなさそうだと思った私はコンドームを装着せずに正常位で性交した。
拒否したらお金をもらえないかもしれない、と思ったのか女はなにもいわなかった。
難点といえば腰を動かすリズムが遅かったことと、膣が固すぎたことだった。

 2回の性交を終わったあと彼女は「すみません、いろいろ教えてもらって」といって私に頭を下げた。
私は抱きしめて深いキスをした。6千円を渡すと「ありがとう」と素直にいって財布にしまった。
そのホテルは後払いでクレジットカードが使えたので部屋代はそれで支払い、外にでてから「おいしいものでも食べて」と5千円を追加して彼女に渡した。とても喜んでいた。人助けをした気持ちで温かい気分になった。

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