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テレクラ放浪記(8)-6 |
Date: 2003-07-23 (Wed) |
§3.ハメ撮り第2号
二人目までには時間がかかった。
年齢、職業、外観にかまわず会えた女には「写真を撮らせて?」とアプローチした。
「どんな写真なの?」と怪訝な顔に変わった女に「ヌード写真を撮るのが趣味だから」といって誘ったが「エッチならいいけど、写真は絶対ダメに決まっているでしょう」とケンもホロロの態度だった。
「もしかしてアヤシい人なの?。テレクラに電話しますよ」といわれて慌てたこともあった。
「エッチならいいけど」といっていた女も最後には「なんか不気味だから帰ります」といってフラれていた。
その数は10数人だろうか。ほとんどが人妻だった。
援交女は金さえはずめばたやすく落ちると思ってトライしたが「ヘンな雑誌に投稿するんでしょう」といわれて断られていた。
二人目の女とは埼京線のT市のテレクラで知り合った。
朝10時過ぎころか「徹夜で遊んでここまで来たけど、とにかく寝たいの。エッチしてもいいけど寝ちゃうかも」という女は20歳でミキと名乗った。
女は駅の改札口で待っていた。小柄でかわいいコだった。
どうみても普通の女だ。ろれつが回らないのが気になったが癖なのだろうと思って話を聞いた。
なにやらペンキくさかった。周囲を見回してもペンキを塗った形跡はない。
臭いの原因は女の体だった。
女の口を嗅ぐとどうやらシンナーらしい。友達の家でシンナー遊びをやっていたところ帰ってきた両親に見つかり、追い出されたという。
自宅は横浜で、帰ろうと思って電車に乗ったが吐き気がしてここで下りて、ちょうど目の前にあったテレクラの看板にあった女性用のフリーダイヤルを覚えて電話したの、といった。
ちなみに女性用のフリーダイヤルは、例えば0120−888−000番とか覚えやすい番号になっているのが普通だ。
ミキはセックスの代償として夕方までホテルで寝ていくことを希望した。
「それはいいけど、ひとつ頼みがあるんだ。せっかく会ったんだから記念写真撮らせてよ」と私はいった。
「それって、もしかしてハメ撮りっていうこと?」。ミキはタバコを吸いながらいった。
「俺のカメラって美人だけしか撮らないの。いいカメラでしょ」と私はワケのわからないことをいった。
「エッチはしなくていいの?」と聞くミキ。
「したいよ、かわいいから」といってカメラを出してレンズを向けた。
「恥ずかしいから、そっちで」といってガードの方向を指さした。
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