■ テレクラ放浪記(9)-12 | Date: 2004-01-06 (Tue) |
§3の2・博多取材記2
二人目の妊娠女・カズエ・21歳・妊娠三ヵ月
翌日も午前10時にはテレクラへ入り人妻からアンケートをとった。
さらに二人の人妻とも会え、合計10人分の資料ができた。午後4時にもなるとさすが口が疲れてろれつが回らなくなる。ホテルに戻ってひと休みして有名なキャバクラにでもいこうかと思い、フックをあげた。とたんに緑のランプがつく。偶然とはいえこんなこともあるものだ。
電話の主は22歳のフリターで、キャナルシティ近くのコンビニの前にいるという。
どこの方言か知らないがナマリが強くてよく聞き取れない。
「…んら」と、言葉の最後に「んら」がつく。出身地を聞くと長崎の島らしい。いよいよご当地女と繋がったと思うと興奮したが、疲れているので適当に話だけは聞くことにした。
「東京から来ていて、これからキャバレーにでも行ってみようかなと思って」というと「中州は高いけな。それだったら私と遊ばんか」といった。
悪質な客引きの場合もある。今回の仕事とは関係ないが何かのネタにはなる、と思いアポをとった。テレクラとは目と鼻の先にあった宿泊用のビジネスホテルへ戻り、現金約1万円とカメラ以外はフロントに預けた。
その女はコンビニの前に座っていた。
赤めのチャパツにジャージーの上下。顔は女っぽさとは無縁といって差し支えない。
あまりの女に私は知らん顔して通りすぎようとした。
「ねえ、逃げるんか」といって女は私の前に来て立ちはだかった。身長は私と同じくらいで、ダンプの運転手か女子プロレスラーといったほうが雰囲気はわかる。もしかして、チーマーとでも組んでいて、オヤジを恐喝するのではないかと感じ、私は足早に引き返そうとした。女は私を追ってきた。
「待ちなん」とかなんとかいって私の手をとる。女は泣いていた。
私は通行人の目もあるので人通りの少ない路地にいって話をつけようとした。
女はなおも泣き顔だ。なんの事情があるのかしれないが、ひとつ話だけでもと思い私は「お茶でも飲む」と聞いた。女は顔を振った。
「どうしよう」というと「一緒にいるだけでいい」と小さな声で答えた。
「キャナルを案内してよ」というと「おいしいバーガーがあるから、それからエッチしよらんか?」といって歩き始めた。
ハンバーガーを食べながら女、カズエは身の上話をした。長崎の高校を卒業後、同級生の男と駆け落ち。彼氏は中州の大きなキャバレーのバンドマンで、最近女ができたらしく週に2回は口実をつけて外泊するらしい。「その女って30越えとるん」といって私を睨んだ。
私は「そのうちに戻ってくるから。君って優しそうだし」とオベンチャラをいった。
近くでみるとブルーかかった瞳がキレイだ。それに首すじの肌は白くて、さすがに若さだと思った。それにセックスの時のなまりが混じったよがり声も聞いてみたい。
突然女はいった。「いま、したい」。「ホテル・Sって大きいホテルがあったから、行こうか」「ううん、いましたい」。
カズエは店をでると婦人服が集まるフロアの男性トイレの前で立ち止まった。
ここでやるのか。私は興奮してきた。AVにはあまり興味のなかった私にとって唯一興奮する監督はヘンリー塚本だった。
決して美人ではないが、どこか現実感のある女優の演技は秀でていた。それにキスシーンが長くて私もその中の一員になったような気がした。そのなかで公衆トイレでセックスするビデオをみたときは、コレだ、と感じた。今、それが現実になった。